1/420秒 f8 ISO-200 WB:オート
レンズ:XF16-55mmF2.8 R LM WR
フィルムシミュレーション:PROVIA STD

たとえば、オフセットされているがゆえに気になるパララックス(視差)。X-Pro2のように、レンズが見ている風景とOVFから見える風景が一致しないカメラで、特に近距離撮影時に起こる構図のズレを指す。

X-Pro2は、この視差を計算したAFフレームをOVF上に表示する機構を持つ。「X100T」でも採用された「リアルタイム・パララックス補正機構」だ。この補正精度がかなり高く、X-Pro1ではEVFで使うことが多かったファインダーが、現実的に使える装備になった。

その上、レスポンスの良い電子水準器や分割数が選べる分割フレームなど、表示情報のカスタマイズ内容も豊富で便利。

同じくX100Tに採用された、MF(マニュアルフォーカス)モード時、OVFの端に「デジタルスプリットイメージ」を表示できる「電子式レンジファインダー」と合わせて、覗いて撮る楽しみをより魅力的なものにしている。ファインダーに視度調整ダイヤルが付いたのも嬉しいポイントだ(X-Pro1は視度補正レンズでの対応だった)。

OVFは視野率約92%、ファインダー倍率約0.36倍/約0.60倍。EVFは、約236万ドットの0.48型TFTカラー液晶ファインダー

ハイブリッドマルチビューファインダーを採用。ひとつのファインダーでOVF、電子式レンジファインダー表示、EVFをレバーで切り替えて使用できる

中心とその右下に四角枠(AFフレーム)が表示されている(XF35mm F2 R WR 装着時)。この差が、カメラが認識したパララックス

電子水準器は背面液晶やEVFだけでなく、OVFにも表示可能

分割フレームは分割数を2パターンから選べる

ファインダーに表示する項目は、かなり柔軟にカスタマイズできる

X100Tで初採用された電子式レンジファインダーを搭載。デジタルスプリットイメージはカラー映像で、露出やWBも反映される

ファインダーに念願の視度ダイヤルが追加

次回の後編では、実写を交えながら機能面を見ていく。

機材撮影:青木明子