Goouteはクールジャパンコンテンツを広めるか

ただし、こうした取り組みが、ユーザー視点から見た場合、多くの人に望まれるとは限らない。端末購入者が日本に興味を持っているわけでもない。そもそも、コンテンツに魅力がなければ、仕組みそのものが否定されかねない。これらの点についてはどうか。

まず、コンテンツについては、当初は日本発のものがメインとなるが、いずれかのタイミングで、出荷先のものも取り入れていくという。ルーカス上に表示されるコンテンツの表示設定(非表示も可)も細かくでき、利用者に配慮したものになるという。

次に、コンテンツの提供者について。当初、提供するコンテンツは、デジタルハリウッドやフジスマートワーク等に所属する日本のクリエイター、ライターとなる。個人、法人を問わずにGOOUME JPを通じて、多数の国へのコンテンツ配信が可能だ。

だが、現段階で、提供コンテンツに有名なクリエイターは参画していない。その理由については、知的財産の都合上としている。同社では、このあたりも課題として認識しており、将来的には有力コンテンツを投下していきたい考えだ。

一連の話をまとめれば、Goouteはまず、多数の端末にアプリを搭載してもらい、コンテンツを見てもらう"場作り"に注力、その後にコンテンツの充実化を図っていく流れとなるだろう。

新たな仕組みで広がるか

同社の取り組みは、今のところ、低採算に苦しむ端末メーカーを救う手段となりうる。そのビジネスモデルには隙もないように見える。端末も一気に販売することで、クールジャパンコンテンツの普及にも弾みがつくと期待できそうだ。

ただし、それはルーカスの広告収益やGOOUME JPの収益が端末メーカーにとって魅力のあるものになっていることが前提だ。それは同時に、アプリが利用され、ユーザーに受け入れられたことも意味する。一にも二にも、アプリのコンテンツがユーザーに響かなければ、元も子もなくなる。ユーザーにとって関心のないコンテンツが表示され続ければ、それはノイズでしかなくなってしまうだろう。

ユーザーを引き付けるコンテンツやクリエイターをどれだけ集め、それらをいかにタイミングよくユーザーに提供できるか。これからが正念場であり、舵取り次第で成否が大きく変わりそうだ。