Twitterが従来の時系列とは異なるタイムライン表示方法を採用したことが話題になっている。一部ユーザーの間で12月7日(米国時間)ごろから話題になりはじめ、8日になりTwitter側でタイムライン表示に変更を加えたことを認めた。ただ、現時点ではあくまでテスト的な導入であり、ユーザー全体のごく一部での適用にとどまっているという。サービス開始から9年以上が経過したTwitterでは、これまでタイムラインの基本的な表示方式に手を加えたことがなかったが、Facebook方式の採用に既存ユーザーからは戸惑いの声も多い。

サービス開始当初から続く逆時系列順方式のタイムラインから表示方法が変更されてしまうのだろうか

同件はWall Street Journalなど複数のメディアが報じている。具体的にどの程度のユーザーが影響を受けているのかは不明だが、少なくとも直近のタイミングで全ユーザーに展開されることはないとみられる。

リアルタイム性を特徴とするTwitterでは、従来より下から上方向に向かって新しいツイートが表示される逆時系列順(Reverse Chronological Order)方式を採用。現在あるいは少し前までタイムライン上で何が起こっているのかを把握するのが容易になっていた。一方で、膨大なツイートが流れることでニュースが一瞬で流されたり、就寝中や離席中などタイムラインをチェックしていなかった過去のタイミングで何が起こっていたのかを把握できないという問題がある。

同社も最近、タイムラインをチェックしていなかった時間の重要なツイートを抽出してハイライト表示したり、重要なニューストピックのみをチェックできる「Moments」といった新機能を追加しており、新ユーザー獲得に向けた試行錯誤を続けている。

これに加え、一部Twitter株主から、Facebookが採用しているような「時系列ではなくユーザーごとの重要度や関心事に応じてタイムラインの表示内容を変更する」「表示内容を間引く」といったアルゴリズム表示を採用するよう要望が提出されるなど、新規ユーザー獲得で伸び悩むTwitterにさらなるプレッシャーがかかっている状態だ。

今年7月には正式なCEOに就任した共同創業者のJack Dorsey氏が人員削減を含むリストラプランを発表したが、今回のタイムラインへのアルゴリズム導入もこのリストラプランの一環だと思われる。

筆者は実際には、このアルゴリズムを導入したタイムラインを確認できておらず、設定変更で従来のタイムラインに戻せるかどうかも不明だ。だが、Twitterのヘビーユーザーほど表示変更に対する抵抗は大きいとみられ、筆者としては、この試みが多くのユーザーに受け入れられるかは難しいところだと考えている。