一歩ずつ成長する「Microsoft Edge」
ビルド10240時は必要最小限の機能を備えた「Microsoft Edge」は、Insider Previewのビルドを重ねることで1つずつ機能を加えてきた。今回のビルド10565では、4つの機能が加わっている。1つめはタブプレビュー機能。Microsoft Edgeで複数のタブを開いてから、タブにマウスオーバーするとWebページのプレビューが現れるというものだ。色々と試したところ同じドメインのサイトを複数開いている場合、それぞれのプレビューを同時に表示する仕組みのようである。
2つめはお気に入りとリーディングリストの同期なのだが、こちらの動作は確認できなかった。Aul氏は「ひと目で分かる」と説明しているが、Microsoft Edgeの設定項目も、「設定」の「アカウント\設定の同期」にも類する項目は用意されていない。念のため複数のPCでWindows 10 Insider Preview ビルド10565をインストールし、同じMicrosoftアカウントで異なるお気に入りやリーディングリストを作成して小一時間放置してみたが、特に変化はなかった。
3つめはドラッグ&ドロップのサポート。以前のビルドはエクスプローラーがWin32アプリケーション、Microsoft EdgeがユニバーサルWindowsアプリのため、相互的にドラッグ&ドロップできずに不便を強いられていた。この点を鑑みたのか今回のビルドでは前述の機能を加えて、エクスプローラーからOneDriveなどへのアップロードを可能にしている。
4つめはコンテキストメニューに加わった<Save target as>だ。本項目を選択するとコモンダイアログが起動し、HTMLファイルや画像ファイルをそのまま保存可能になる。このように後者2つの新機能は革新的というよりも、"Internet Explorerが供えていた機能をインポートした"と述べるのが正しいだろう。なお、前ビルドでは確認できなかった機能として、<詳細>メニューに<デバイスにメディアをキャスト>が加わっている。Xbox OneなどWindows 10のメディアキャスト機能に対応するデバイスを所有していないため、動作を確認していないが察するに、"Microsoft Edge上のメディアコンテンツをリビングのTVなどで再生する"機能だろう。
Microsoft Edge Devの記事によれば、レンダリングエンジンであるEdgeHTMLの改善も加わり、体感レベルだがWebページの表示スピードも速くなったように感じられる。筆者はメインWebブラウザーとして今でもMozilla Firefoxを使っているが、拡張機能の影響で正しく表示されないWebページを閲覧するサブWebブラウザーとして、Microsoft Edgeに信頼を置けるようになってきた。今後の実装予定にある"拡張機能のサポート"に期待したい。