仕組みは車の残価設定ローンに近い?
まず、iPhone Upgrade Programの全体的な流れをおさらいしておこう。同プログラムを活用して、iPhone 6sもしくはiPhone 6s PlusをApple Storeで購入する際、24回の分割払いを組む形式になる。ただし、12回まで支払った段階で、新しいiPhoneに下取り交換ができる仕組みだ。そのため、毎月一定の金額を払い続ければ、最新のiPhoneを使い続けることができる、というメリットがある。
もしAT&Tなどのキャリアで購入する場合、iPhone 6s 16GBの場合、199ドルで購入できる。しかし翌年は割引販売が受けられないため、649ドルを支払わなければならない。2年後は再び199ドルで購入できる、という仕組みだ。
毎年最新のiPhoneを買い換える前提で、キャリアでの購入とiPhone Upgrade Programを2年間の支払総額で比較すると、割引販売が2年に1度受けられるキャリアの場合は848ドル、iPhone Upgrade Programでは月額32.41ドルの24回払いで777.84ドルとなる。
後者には129ドルの端末の修理を割安で受けることができるAppleCare+が含まれる。AppleCare+はデバイスごとにかける必要があるため、キャリアでiPhoneを購入した場合、129ドルを2台分つけなければならない。この段階で、iPhone Upgrade Programで777.84ドルに対し、キャリア購入は1106ドルとなる。
ただし、iPhone Upgrade Programは下取り交換になるため、キャリア購入でも古いデバイスを下取りに出した金額を差し引かなければならない。販売が続いている前年度のモデルを、新機種発売後に下取りに出すと、iPhone 6の場合、280ドルという買い取り提示額が一般的だ。前述の1106ドルから280ドルを引くと、826ドルとなる。
結果的にはiPhone Upgrade Programの方が48.16ドル安くなる。わずかな差にも見えるが、一定金額を払い続けるiPhone Upgrade Programに対し、1年目に199ドル+129ドル、2年目に649ドル+129ドルというまとまった出費が必要なキャリアでの毎年購入よりも、キャッシュフローに対する負担は軽減される。
ちなみに、iPhone Upgrade Programで手に入るデバイスはSIMフリー端末であることから、キャリア購入とは同じ比較ができない。AT&Tの場合SIMロックがかけられており、AT&Tで利用できるSIMフリーデバイスは、結局Apple Storeでフルプライス(iPhone 6s 16GBの場合、649ドル)で購入しなければならないからだ。
厳密に言えば、iPhone代649ドル×2とAppleCare+代129ドル×2の、合計1456ドルと、Upgrade Program活用の777.84ドルとの比較となる。