iPad Pro+Apple Pencilはお絵描きユーザー要注目

iPad Proは、内容的にはほぼ事前のリーク通りといったところで、あまり目新しさや面白みはなかったが、Surfaceを強烈に意識したと思われるスマートキーボードカバーやApple Pencilは別な意味で興味深かった。特にApple PencilについてはiPad Pro専用というのがもったいないが、デモのムービーを見る限り、筆圧も傾きも良好に読み取っている。これならアナログで書きなれたユーザーにとっても使いやすいのではないだろうか。

ビデオで見る限り筆圧感知はかなりの分解能がある模様。99ドルとスタイラスペンとしては高級品だが、実用性を考えるとかなり強力そうだ

最近は漫画やイラストを描く人のデジタル化も進んでおり、ワコムの液晶タブレットを導入しているユーザーも多いようだが、iPad ProとApple Pencilならどこへでも持ち歩いて好きな時に描ける。ニッチな市場ではあるが、キラーアプリケーションになる力を秘めているようにも思う。

スマートキーボードはキータッチを確認してみないと何とも言えないが、キータッチが実用的なら、iPad Pro+スマートキーボードの組み合わせがサイズ・重量的にも価格的にも、SurfaceよりもMacBookと直接競合することになりそうだ。もちろんOSの違いから差別化はできるのだろうが、アップルとしてはどちらに注力していくつもりなのか、興味深い。

Apple TVはアプリの充実に期待

第4世代となる新型Apple TVは、ついにアプリが追加できるようになり、リモコンもBluetooth接続でタッチ操作可能な新型に変わった。リモコンはゲームコントローラーにもなるようだが、せっかくなら「PiPPiN@」の付属コントローラーのような専用コントローラーが欲しいと思ったのは筆者だけだろうか。

PiPPiN@はアップルが設計し、バンダイ(現バンダイナムコ)の子会社が販売したマルチメディアプレーヤー。いかんせん専用コンテンツが少なく、ゲーム機としてすら成立しなかった

Apple TVは、米国ではかなり配信サービスも充実してきているようだが、日本ではiTunes Storeでのテレビ番組配信が始まっておらず、Apple TVで視聴できる他配信サービスに、もうすこしキラーコンテンツがほしいところ。そういう意味では今回「tvOS」としてOSがブランド付けられ、SDKが公開され、アプリ開発ができるようになったのは大きい。

たとえばdビデオやNHKオンデマンドといった今Apple TV向けの配信を行っていないサービスや、コンテンツを多数持っている映画会社などが参入してきたら、おもしろいことになりそうだ。また、米国では通販サイト「GILT」のアプリが出るようだが、日本でも、たとえばテレビショッピング向けのアプリを開発するところが出てきてもおかしくないはずだ。