9月9日(日本時間の9月10日)、米Appleはメディア向けに新製品発表会を開催し、iPhone、iPad、Apple TV、Apple Watchでそれぞれ新製品が発表された。すでに各製品については個別に記事が掲載されているため、本稿では発表された製品を振り返りつつ、イベントそのものについての所感も述べたいと思う。

過去最大規模の発表会

新製品発表会の会場となったのは、米サンフランシスコ市内にあるビル・グラハム・シビック・オーディトリウム。会場は座席数7000と、メディア向けイベントとしては異例な規模の巨大な会場だが、今回は世界中から多数のメディア関係者が招待され、この会場が埋まるほどのメディアが集まった。

基本的に招待されたメディアだけながら、WWDCの基調講演を上回るほどの人数が参加。日本からもかなり多くのメディアが参加したようだ

もちろん、iPhoneを始めとする超ヒット製品を連発するアップルの新製品発表会ということで、メディアからの注目も桁違いなのだが、それにしても異例の規模だ。あとから考えるに、これはティム・クックCEOが故スティーブ・ジョブズCEOから引き継いだアップルが、ジョブズ時代からの様々なしがらみを切り捨て、自分の体制に切り替わったことをアピールするためのお披露目式だったのではないかという気がしている。これについては後述しよう。

Apple WatchはwatchOS 2.0で本領発揮

まずは今年前半最大の話題だったApple Watchから。低価格で売れ筋でもあるApple Watch SPORTに、新色の「ゴールド」「ローズゴールド」が追加され、全4色になった。価格は据え置きで選択肢が増えるのは普及のためにもいいことだろう。特にiPhone 6sとお揃いにできるローズゴールドは人気色になりそうだ。スポーツバンドも複数新色が登場したので、たまには気分転換に交換してみても面白そうだ。

筆者も黒のSPORTを1つ持っているが、最初にゴールドやローズゴールドが選べればそちらを選んでみたかった。今から交換してくれないだろうか……

エルメス社とのコラボ製品である「エルメスコレクション」も面白い。エルメス社の特徴的なレザー製バンドとApple Watchの組み合わせは、価格的にもちょっと頑張れば手が届くくらいの絶妙な値段付けだ。今回はエルメスとのコラボだったが、これがうまくいけば他のブランドとのコラボもありうるだろう。

最大の注目は、Apple Watchが単独で動作するネイティブアプリの開発が可能になる「watchOS 2.0」だ。これまでアプリ開発者の方に何人か話を伺ったが、やはりネイティブアプリが作れるようになることで創作意欲もそうとう掻き立てられるらしく、watchOS 2.0用アプリは実用アプリ、ゲームアプリなどを含めかなり盛り上がりそうだ。9月16日の公開が楽しみだ。