三菱電機は8月25日、ルームエアコン「霧ヶ峰」の新シリーズとして、「FZシリーズ」を発表した。発売は10月下旬。価格はオープンで、推定市場価格は冷房定格能力によって異なり、税別328,000円前後~458,000円前後だ。

FZシリーズ

鏡に写ったパーソナルツインフロー。2つのファンが見える

FZシリーズは、左右独立で駆動する「パーソナルツインフロー」を搭載するルームエアコン。従来のラインフローファン(円筒状のファン)からプロペラファンを用いるなど室内機の構造を一新した。送風効率を向上させる静翼部(動かない羽根部分)を持つファンを左右に2つ配置することで、左右独立して風を送れる。風量を左右でそれぞれ制御することで、同じ部屋内で最大約3℃の温度差を作り出せるという(暖房時、左右の床温度)。

赤外線センサー「ムーブアイ極」はさらに進化。左右方向の解像度を従来の約4倍に向上させ、よりきめ細かく温度変化を測る。ムーブアイ極はそれぞれの人の手先や足先の温度をセンシングし、その人が暑いと感じているのか寒いと感じているのかを判断。パーソナルツインフローで左右に異なる風量の風を送ることで、それぞれの人に合わせた温度の空間を作り出すとしている。

プロペラファンを採用したことで、熱交換器の配置も変更した。従来はラインフローファンを囲むように熱交換器が配置されていたが、パーソナルツインフローでは室内機上部にファンを設置した。ラインフローファンを囲むように配置する必要がなくなったため、熱交換器をファンの下にW型にして搭載することで、熱交換器搭載量が22%アップしたとする。

従来モデル(左)とFZシリーズ(右)。ラインフローファンではなくなったため、熱交換器の配置も大きく変更

推定市場価格は、冷房定格能力4.0kWの「MSZ-FZ4016S-W」が328,000円前後、5.6kWの「MSZ-FZ5616S-W」が358,000円前後、6.3kWの「MSZ-FZ6316S-W」が378,000円前後、7.1kWの「MSZ-FZ7116S-W」が398,000円前後、8.0kWの「MSZ-FZ8016S-W」が428,000円前後、9.0kWの「MSZ-FZ9016S-W」が458,000円前後だ(いずれも税別)。

三菱電機は同日、デザイン性を重視した「FLシリーズ」のコンセプトモデルも発表した。「エアコンひとつでリビングの空気を変える」というコンセプトのもとに開発された製品だ。発売の予定や価格については明らかになっていない。

FLシリーズ