説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「新しいiPod touchは、iPhoneの代わりに使えないの?」という質問に答えます。

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第6世代となる「iPod touch」が発売されました。第5世代の発売は2012年9月、iPhone 5と同じタイミングですから、約3年ぶりのニューモデルということになります。CPUにはiPhone 6と同じ「Apple A8」を搭載、64ビット化を果たしました。クロック数はiPhone 6より若干低いそうですから、処理性能はiPhone 6に見劣りするものの、iPhone 5s以上の水準は期待していいでしょう。

外見がよく似たiPhoneとiPod touchですが、根本的な部分で大きく異なります。それは「モバイル回線(携帯電話回線)の使用可否」で、iPod touchは対応しません。050から始まる電話番号を割り当てられるIP電話アプリを使えば、iPhoneに近い感覚で使用できますが、Wi-Fiアクセスポイントがある場所でなければ通信できないため、iPhoneのようにいつでもどこでも通話できるわけではありません。

モバイル回線を使えない点とTouch ID(指紋認証機能)を搭載していないを除けば、第6世代のiPod touchは充実の機能を備えています。ディスプレイは4インチ/1136x640ピクセルとでiPhone 5/5sと同サイズ、重量も88gとiPhone 6(129g)と比べ軽量です。それでいてメインカメラの画素数は8メガピクセル、モーションコプロセッサの「M8」を搭載するなど、iPhone 5/5sを上回る部分もあります。

価格もSIMフリー版iPhone 6の半額以下ですから、第6世代iPod touchは手ごろな端末といえるでしょう。他のスマートフォンのテザリング機能やWi-Fiルータを使えばインターネットに接続できますから、アプリの利用やメール送受信にも支障ありません。iPhoneに興味はあるがメインの携帯電話にするつもりはない、という人にはちょうどいい存在なのではないでしょうか。

CPUにiPhone 6と同じ「Apple A8」を搭載した第6世代のiPod touchは、以前と比べて"iPhoneでなければ"と感じさせる部分が減っています