iPhone 6よりこっちがお買い得?
iPod touchの価格は、第5世代より1,000~2,000円値上がりしたものの、現在販売中のiOS端末としては最安で、SIMフリーのiPhone 6と比べると半額未満だ。性能的にも最新機種の2割落ち程度であれば十分すぎるだろう(そもそもiPhone 6は現行世代のスマートフォンでも上位の性能だ)。
■価格比較
iPod touch 第5世代 | iPod touch 第6世代 | iPhone 6(SIMフリー) | |
---|---|---|---|
16GB | 22,800円 | 24,800円 | 86,800円 |
32GB | 28,800円 | 29,800円 | - |
64GB | 34,800円 | 36,800円 | 98,800円 |
128GB | - | 48,800円 | 110,800円 |
SIMフリー端末とでは条件が違いすぎる気もするが、性能を考えると第6世代は格安と言っていい |
iPod touchは音楽プレーヤーとしてよりも、ゲーム機や、スマートフォンを持たせてもらえない子供のためのアプリプレーヤーとしての需要も多い。こうした需要に対して、いかにも型落ちのスペックではなく、最新性能が提供されたというのはいいニュースだ。
また、ガラケーユーザーにとってもiPod touchの性能向上は興味深いニュースではないだろうか。iOSアプリには興味があるが、高い料金プランのスマートフォンを使う気はない、という人たちの間でiPod touchが人気を集めているという。ガラケーのWi-Fiテザリング機能(搭載されている機種は減ってしまったが)や、MVNOのデータ専用SIM+モバイルルーターとiPod touchの組み合わせなら、ランニングコストを抑えて最新のアプリやサービスが利用できる。第6世代はこうしたユーザー層にも強く訴求するだろう。
音楽プレーヤー市場に新たな基準を持ち込む
スマートフォンの普及により、単独の音楽プレーヤーはすっかりその役目を終えた感がある。市場でも圧倒的存在感だったiPodがソニーのWalkmanシリーズと肩を並べるようになったが、これはWalkmanがハイレゾ需要に応えているという側面もあるが、一方で音楽プレーヤー市場自体が地盤沈下を起こした結果だとも言える。
正直、iPodはもうアップデートしないのではないかと思っていた時期もあるのだが、第6世代iPod touchは、まだまだアップルがこの市場を見捨てていないという強いメッセージだと感じられた。先日スタートしたばかりのApple Musicにも対応しており、Wi-Fi環境があればストリーミングによる聴き放題サービスも利用できる。
考えてみれば、ほかの音楽プレーヤーで聴き放題サービスに対応しているものや、アプリで拡張できるものはほとんどない。iPod touchが標準だということになれば、iPodというブランドは、再び音楽プレーヤー市場でも無視できない存在感を表すことになる。アップルのウェブサイトのメニューからも姿を消してしまったiPodだが、なかなかどうして、まだまだ無視できない存在であり続けるようだ。