2015年6月19日の販売開始を控えるSurface 3だが、日本マイクロソフトは6月1日に報道関係者向けとして「Surface 3体験会」を開催した。Surface 3を購入するかどうか迷っている方の参考になれば幸いだ。なお、マイナビニュースではSurface 3のレビュー別途お届けする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

日本マイクロソフト本社2Fに設置した「Surface特別ブース」。6月30日までSurface Pro 3やSurface 3を体験できる

実は自由度が高い個人向けSurface 3

最初に登壇した日本マイクロソフト Surface&PCハードウェア戦略本部長の三野達也氏は、「発表後、弊社には多くの質問が寄せられたため、改めて(体験会を)設けた」とメディア向け体験会の趣旨を説明した。会場ではSurface 3のキーポイントを改めて説明したが、本体情報に関して重複するため、気になる方は以前寄稿した記事をご覧いただきたい。

Surfaceシリーズではお馴染みとなった日本マイクロソフトの三野氏

Surface 3に関する疑問に答える日本マイクロソフトの松平氏

まず注目したいのは、Surface 3に関して寄せられた質問の数々だ。Surfaceデバイスのテクニカルセールスを担当する松平氏は、多くの一般消費者から寄せられたSIMロックに関する質問に対して、「日本国内で販売するSurface 3はSIMロックフリー」と回答している。Surface 3自体にSIMロックはかけていないと説明するが、今後展開する海外モデルは、市場背景や提携するキャリアに応じて、SIMロックを有効にする可能性を匂わせていた。

日本マイクロソフトに寄せられたSurface 3関連の質問。皆が疑問に思うような問い合わせが多かったという

Wi-Fi(無線LAN)に関しても改めて説明。松平氏によれば、個人/法人向けモデルのネットワーク関連機能に差は存在せず、SIMカードを挿せばLTEや3Gの使用、そのままでもテザリングや無線LANアクセスポイントへの接続は可能である。ここで下図をご覧いただきたい。こちらはSurface 3がサポートするLTE/3Gバンドの一覧だ。例えばLTEバンド1はNTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルが対応し、バンド3ならNTTドコモの東名阪バンド、ソフトバンクモバイルとなる。バンド8はソフトバンクモバイルが対応する。

Surface 3が対応する周波数帯域。機能的には国内では使用しないバンド7やバンド20にも対応する

興味深いのは、2.6GHzのバンド7や800MHzのバンド20をハードウェアレベルでサポートしている点だ。例えば前者は北欧や香港、中南米で使われる通称「拡張IMTバンド」、後者は欧州で主に使われる周波数である。松平氏によれば「海外で使えるか」がもっとも多かった質問だという。つまり国内でSurface 3を購入し、「前述した海外各国に関しては使用可能」である。契約キャリアのローミング機能や、現地SIMカードへ切り替えることで、LTE 1/3/7/8/20を使用する通信キャリアがある国では使用可能、と理解するのが正しいようだ。

個人ユーザーが気になるのは「ワイモバイル(ソフトバンクモバイル)以外の回線は使用可能か」という点だろう。Surface 3は前述したネットワーク機能に関して技適マークを取得予定のため、別キャリアのSIMカードを利用しても罪に問われることはない。その点に関して松平氏は「(別キャリアのSIMカードは)テストしていない」とこれまでの公式発表と同じ回答を繰り返している。ただし「法的にも技術的にも(別キャリアの使用を)妨げるものはないので、個人責任で使用する分には問題がない」とも述べた。

では、なぜ「ワイモバイル(ソフトバンクモバイル)のネットワークに最適化」という表現を用いたのだろうか。その理由として、Surface 3のテスト機が完成した頃からソフトバンクモバイルの研究所でネットワークテストを行い、多くのフィードバックを日本マイクロソフトがSurface 3に取り込んできたからだという。

Surface 3のプリインストールOSと一般的なWindows 8.1との相違点についてはオープンにしていないと回答を避けたが、関係者によればワイモバイルのAPN(Access Point Name)データを内包し、簡易的なTCP/IP周りのチューニングを行っているようだ。