メールやネットには十分な性能だが、それ以外の用途にはツライ?

ブラウザゲームの快適さをチェックするため、「艦隊これくしょん~艦これ~」を試してみた。メモリ容量が少ないので起動できるのかも危ぶまれたのだが、とりあえずは問題なく起動した。メニューの表示やシーンの切り替えには、かなり時間がかかる(10~20秒程度なのだが)。2回目以降のプレイは比較的サクサクと進められたため、データがキャッシュされれば快適に遊べるものと思われる。

「艦これ」プレイ時のシステムパフォーマンス。一度ファイルがキャッシュされれば問題なくプレイできるが、初回起動時はやや時間がかかることがあるかもしれない

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YouTubeの1080p動画でも、コマ落ちせずに再生できた。CPUに動画再生支援機能が搭載されているため、高解像度の動画でも楽しめるだろう。

YouTubeの1080p動画も問題なく視聴できる。ただし画面の解像度は1,280×720ドットなので、フルHDの精細さは感じられない

上記のスクリーンショットを見ても分かるとおり、ブラウザゲームでもYouTubeでも、メモリの使用率が常時90%を超えている。ほかにソフトを利用しなければ十分快適なのだが、この状態からさらに別のソフトを利用するのは厳しい。実際にYouTubeを再生している最中にエクスプローラーを起動してみたところ、ウィンドウが表示されるまでに通常よりも長い時間がかかった。

持ち歩きの際に重要な要素となる、バッテリ性能について見てみよう。カタログ上の公称値としては最大8時間の駆動が可能とされているが、実際の駆動時間は異なることが多い。そこで実駆動時間を計測するために「BBench」を用いてテストを行なったところ(10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効に設定)、開始から7時間45分でバッテリ残量が3%となり休止状態へ移行した。結果としては、公称値に近い性能だ。

試用機のバッテリレポート。バッテリの設計容量は17,480mWhとなっている

今回はWindows 8.1の電源プランを「バランス」に、液晶ディスプレイの明るさを40%に設定してテストを行なっている。明るさをさらに下げたり、ネットを使わないときは無線LANをオフにするなどすれば、今回の結果よりも長く駆動する可能性はある。これだけのスタミナがあれば、持ち歩きには問題ないはずだ。

初心者用の入門機、あるいは上級者のサブ端末として

「Iconia Tab 8 W」は、汎用的な使い方を想定したタブレット端末ではない。メールやネット、あるいは動画の視聴など、あくまでも手軽に使うためのデバイスだ。これまでPCをメール/ネット閲覧用に使っていたライトユーザーなら、「Iconia Tab 8 W」をPC代わりとして十分実用的に使えるだろう。

また逆に、すでにPCをバリバリと使いこなしている上級者にとっても、用途を限定したネット端末としての価値はあるはずだ。NASやDLNAサーバに保存した写真や動画、録画番組を視聴するためのデバイスとして利用するのもおもしろい。あるいは提督業専用タブレットとしての活用もアリかもしれない。このように割りきって使いたい、もしくはいろいろ試したいという人にとって、実売2万円切りの安さは大きな魅力となる。

マイクロソフトの「Universal Mobile Keybord」と組み合わせて使ってみたところ、膝の上でも問題なく利用できた

ちなみに筆者は、今回の試用期間中に「Iconia Tab 8 W」とモバイルキーボードを組み合わせ、取材時の原稿執筆マシンとして使ってみた。コンパクトで軽く、持ち歩きにはもってこいだと感じている。利用するキーボードにもよるのだが、試しに使ったキーボードでは膝の上でも安定して使うことができた。

同時に複数のソフトを起動するのは厳しく、画面も小さいため最終的な仕上げ作業には向かないものの、メモをベタ打ちする程度の作業なら特に問題を感じない。

パワフルであれこれ使える汎用的なPCも確かに便利だが、状況や目的によって利用する端末を変えるのもスマートなやり方ではないだろうか。ぜひ格安価格で入手できる「Iconia Tab 8 W」を使って、普段の作業を効率よくこなしていただきたい。