解像度はWQHD - 液晶やデジタイザペンをチェック

外観的な目新しさはないものの、各部の使いやすさは大きく向上した。まず液晶ディスプレイについては、解像度2,560×1440ドットのタッチ対応WQHDパネルを採用している。前モデル(SVZ13119FJ)の1,600×900ドットと比べると、ピクセル数は2.56倍だ。

画素密度約221dpiの画面は、映像が非常に精細。写真は鮮明に映し出され、文字はシャープで読みやすい。sRGBカバー率は100%とモバイル向けの液晶ディスプレイとしては色域が広く、動画や写真を自然な色合いで楽しめる。

光沢のあるグレアパネルを採用。光の映り込みはそれなりにあるが、角度を変えれば問題ない。視野角がかなり広いのも魅力だ

解像度は2,560×1,440ドットのWQHDだ。標準ではWindows 8.1のスケーリング設定によってデスクトップが200%に拡大表示されているため、文字やアイコンは大きくて見やすい

キーボードの配列は、VAIO Pro 13と同じだ。キーピッチは19mmと大きくて使いやすい。ただしキーストロークが約1.2mmとかなり浅く、人によって好みが分かれるところだろう。軽いタッチで入力するとクリック感をわずかに感じるが、強めのタイピングではほとんど感じられなかった。

バックライト搭載のキーボードは、テンキーなしの標準的な87キー構成。キーピッチは19mmと広めで、英数字キーや記号キーはほぼ等幅だ

その代わりというわけではないのだが、VAIO Zのキーボードの特徴としてタイプ音がかなり静かである点が挙げられる。たとえば静音性の高いパンタグラフ式のキーボードでもタイプ時には「シャカシャカ」という音がするのだが、VAIO Zは控えめに「タタタタ」と鳴る程度。タッチパッドのクリック音のほうが大きいほどだ。

キーのスイッチ部分にブレがなく、力がダイレクトに伝わっているような印象を受けるキーを強めに押すとややたわみがあるものの気になるレベルではなく、また底打ち感も感じられない。

タッチパッドのサイズは実測で約幅105×奥行き65mmだった。追従性が非常に高く、マルチタッチジェスチャーも一発でスッと反応する。マウス派の筆者はタッチパッドでの操作は苦手なのだが、VAIO Zのタッチパッドはストレスなく使うことができた。

タイプ音が小さい静音キーボードを採用。静かな場所で利用しても、入力時の音が気にならない

ボタンが一体化したクリックパッドタイプ。反応がとてもよく、快適に操作できる

デジタイザー内蔵でペン入力に対応しているのも、VAIO Zの特徴のひとつだ。標準付属のデジタイザペンは、実測で長さ約140mmで直径は9mmだった。見たところ、VAIO Fit AシリーズやVAIO Duoシリーズに付属していた「VGP-STD2」と同じタイプのようだ。型番も「VJ8STD2」で、ソニー時代のデジタイザースタイラスと最後の4文字が一致している。

標準で付属するデジタイザースタイラス。ペン先から少し離れた部分に2個のボタンが配置されており、後方側のボタンを押すと「OneNote」が起動する

デジタイザースタイラスが変わっていないとすれば内部はN-trig製で、筆圧感知レベルは256段階だ。本格的なイラストを描くには1024段階以上は欲しいところだが、メモ書きや簡単なイラスト程度なら十分な性能だろう。実際に筆者も筆圧感知を試してみたが、特に不満を感じるレベルではなかった。

付属の設定ユーティリティ「VAIOの設定」(ソフト名もソニー時代と同じ)から、筆圧レベルをカスタマイズできる

プリインストールされている「CLIP STUDIO PAINT」体験版で、筆圧感知やイラスト制作を試すことが可能だ

デジタイザペンの使い勝手はかなりいい。まず実際のペン先とシステム側が認識する場所のズレがほとんどない。ディスプレイ表面を保護する強化ガラスと液晶パネルとのすき間を樹脂で埋める「ダイレクトボンディング」によって、ペン入力時の視差が抑えられているのだ。ペン入力時の反応も上々でストレスなく利用できる。

以上のように、VAIO Zに用意されている3種類の入力デバイスは、どれも使い勝手に優れている。生産性が求められる作業にはもってこいのモデルだ。