LYTROブース

神奈川県・パシフィコ横浜で2月12日から15日まで開催中の「CP+2015」。国内最大級のカメラの祭典であり、大手メーカーのみならず、様々なカメラや写真・映像関連メーカーがブースを出展している。

そんななか、「LYTRO」ブースでは撮影後にピントを変えられるという、これまでにない機能を備えたデジタルカメラ「LYTRO ILLUM」(ライトロイルム)が展示されている。ブース内にはジオラマが設置され、実際にLYTRO ILLUMを試用することも可能。写真家によるトークショーも賑わいを見せている。


実際にブースでLYTRO ILLUMを体験してみた

LYTRO ILLUMの特徴をざっくり説明すると、撮影した後からピント位置を自由に変更することができるデジタルカメラ、ということになる。スマートフォンなどでよくある「背景をソフトウェア処理でボカす」のとはちがって、光学的に「ちゃんとしたボケ」(何だか微妙な表現だが……)を自由に得られるのだ。撮影後には、ピント位置だけでなく絞りもF1.0からF16まで変更できる。なお、撮影時の絞りはズーム全域でF2.0固定だ。

撮影後にピントを変更できるLYTRO ILLUM

レンズ交換はできず、固定式となっている。ボディはカメラらしくはあるものの、グリップや液晶画面が斜めになっている個性的なデザイン。まさに"未来のカメラ"といった出で立ちで、個人的にはものすごくかっこいいと思う。レンズの青いラインもどことなく未来チックだ。肩に斜めがけして観光地を闊歩したい。

レンズが巨大なので重そうに見えるが、重量は940gで見た目ほどでもない。レンズを装着した状態の一眼レフエントリー機と同じくらいだ。グリップの持ちやすさとも相まって、軽快に撮影を楽しめそうだと感じた。

持参した取材用のカメラと比較してみた。大きさは似ているが、重量はLYTRO ILLUMの方がずっと軽い

見た目は奇抜だが、持ちやすく考えられたデザインだ

ブースにはジオラマが設置されており、LYTRO ILLUMを体験できる。操作などでわからないことは、その場にいるスタッフが丁寧に説明してくれるので安心だ。ちなみに、シャッターボタン脇の"LYTROボタン"を押すことで「深度オーバーレイ」モードとなり、ライブビュー画面内の被写体にリフォーカス(再合焦)できるかどうかを表示してくれる。具体的には、被写体のオレンジとブルーで縁取られた部分には、撮影後にピントを合わせられる。

体験コーナーは初日から人気だ

ジオラマでLYTRO ILLUMを体験しよう

ライブビュー撮影した後、画面の好きな箇所をタップすることでピント位置を変更できる

右に表示されているヒストグラムは、露出ではなくリフォーカスできる範囲を示す。撮影後にピントを合わせられるのは、被写体のオレンジとブルーの部分

「撮影した後にピント位置を変更する」。文章で書くとそれだけのことだが、今後、写真の歴史に革命をもたらしかねない機能だ。ひょっとすると、CP+2015のLYTROブースこそが「未来」につながる入り口かもしれない。

アンケートに答えると「LYTROフォトニスタ」になるチャンスが。選定されるとLYTRO ILLUMがもらえるのだ。東京都の神宮前にLYTROの撮影スタジオが近日オープンすることも告知されていた

LYTROブースで「未来」に触れてみてほしい