Imagination Technologies(IMG)は1月16日、Android向けPowerVR画像処理フレームワークを発表した。

ハイダイナミックレンジ(HDR)、パノラマ合成、ジェスチャ認識、拡張現実(AR)など、先進的な画像処理や写真技術を処理するには、大量の演算能力が必要である。現在、CPUやDSPコアの能力に依存してこの性能要件を満しているが、こうしたプロセッサでハイダイナミックなコンテンツの映像フレーム処理を継続すると、デバイスの発熱に起因する課題が出てくる。

PowerVR画像処理フレームワークは、独自の低消費電力並列処理を活用し、GPUとカメラセンサ、画像信号プロセッサ(ISP)、CPU、その他のSoC特有ハードウェアのシステムコンポーネントと密接に統合し、カメラアプリケーションに容易に組み込めるプログラマブルな画像処理パイプラインを実現できる。さらに、PowerVR GPUの電力効率と演算効率によって、将来の専用ハードウェア化SoCを待つことなく、スマートフォン、タブレット、その他民生電子機器における消費電力の制約の範囲内で、最先端の画像処理機能をカメラアプリケーションに組み込めるようになる。

そして、今回のAndroid向けPowerVR画像処理フレームワークには、OpenCLおよびEGLアプリケーションプログラミングインタフェース(API)への拡張が含まれており、YUVとRGBカメラデータの効率的なゼロ・コピー・サンプリングを実現する。この拡張を使用すると、たとえばYUVデータ形式を直接操作して、輝度データに対してのみ動作するアルゴリズムの高速化ができる。また、別の拡張としてサンプリング時にYUVデータをRGBに動的に変換する構成を、ハードウェアに与えることができる。

加えて、このフレームワークには、ゼロコピー拡張をカメラのHAL(Hardware Abstraction Layer)に実装するための、ローレベルの関数も含まれている。この拡張実装によって、カメラレンズ、画像信号プロセッサ(ISP)ハードウェアの諸機能やAndroid標準のカメラアプリケーションの制約を超えた利用が可能になる。なお、すでにフレームワークのゼロコピー機能を使用しているユーザーは、高速画像処理アプリケーションを実装するために、共有ハードウェアの追加は必要ないという。