データ量は「1秒でCD1枚分」 - 4K映像編集の課題

Inter BEEにおけるVAIO Prototype Tablet PCの展示は、キヤノンブースの一角で行われた。

キヤノンの放送分野向け製品が展示されるなか、VAIO Prototype Tablet PCは、キヤノンの現像ソフトウェアの最新版「Cinema RAW Development 1.3」のデモストレーションに使用されていたのだ。

Inter BEE 2014のキヤノンブース

Cinema RAW Developmentは、4K RAW画動画の現像再生や、カラーグレーディングのチェックが可能なソフトウェアであり、4Kで撮影した画像の確認、編集用素材の準備などに適している。だが、利用環境においていくつかの課題もあった。

キヤノンでは4Kおよび2K対応のシネマカメラ「EOS C500」を製品化。4K市場への積極的なアプローチを開始しているが、EOS C500で撮影した4K映像は、1フレームあたり11MBのデータ量となり、24フレーム/秒(fps)で撮影した画像の場合、1時間の映像では1TBのデータ量にも達する。逆算すると、CD1枚には1秒分のデータしか入らないという膨大なデータが発生することになる。

キヤノンがInter BEE 2014のセミナーで用いた資料

「大量のデータを処理するワークフローにおいて、データ転送や画像処理の現像時間がかかるといった課題が生まれており、それを解決するために、高速処理が実現できるPCが求められていた。だが、性能を発揮するために何枚ものグラフィックカードを差したPCが必要になり、結果として大きなラックに収める規模になってしまう。屋外などの撮影現場で、現像した画像をその場でチェックする作業には、大がかりな道具を持ち込まざるを得ない状況になっていた」と、キヤノン イメージコミュニケーション事業本部ICP第四事業企画部・恩田能成担当課長は語る。

キヤノン イメージコミュニケーション事業本部ICP第四事業企画部・恩田能成担当課長