2013年度の実績

なお、説明の冒頭には、2013年度の実績についても言及。同事業の売上高が1兆1,918億円。そのうち、スマートフォンの売上高構成比が91%、タブレットが5%、アクセサリーが4%の構成比としたほか、地域別では、日本が23%、米国が3%、欧州が34%、中国が3%、アジア太平洋地域が27%、その他地域が10%の構成比になっているとした。Xperia Zなどの差異化した製品が好調であり、3年ぶりに黒字を達成したという。

また、日本において、17.5%の販売金額シェアを獲得しているほか、欧州では8.8%、アジア太平洋地域では5.9%、中近東・アフリカでは5.4%、南米では6.5%である一方、北米では0.7%、中国が0.9%に留まっていることを示した。欧州においては、フランスでは11.7%、ロシアでは11.4%のシェアを獲得。アジア太平洋地域ではマレーシアで7.9%、インドで7.3%のシェアを持つという。

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今回のモバイル・コミュニケーション分野の新たな方針は、収益構造の改革を優先するものとなった。コア事業のひとつであるモバイル・コミュニケーション分野の復活が果たせない限り、ソニー全体の成長戦略も描けない。

まずは、ソニーの価値を生かすことができる高価格帯製品に絞り込んだ展開を重視するが、次の成長を目指すには、中価格帯や低価格帯へ踏み出す必要がある。構造改革による縮小均衡の施策だけで終わるのではなく、そのあたりの仕込みを同時に行えるかどうかが、今後3年間に求められる隠れた要素といえまいか。