4つの方策その1:最適化したセールス/マーケティング戦略の構築

ひとつは、地域ごとやオペレータごとに施策が異なるため、それぞれに最適化したセールス/マーケティング戦略を構築するとともに、それぞれの投資効率を高め、収益管理を強化する目的で、必要に応じて再編を検討するという点だ。

「現在、全世界に13組織のセールス/マーケティング拠点がある。また、ロンドンにグローバルセールスマーケティング機能を持っている。東京に本社があることを含めると三層構造となっており、効率化のポイントがどこかにあると考えている。まずは、第一線の営業人員がディストリビュータやオペレータとの業務に専念できるような形での組織体制の見直しを行う」(十時社長)と述べた。

4つの方策その2:商品モデル数の厳選

2つめには、価格競争力維持、向上のために、商品モデル数の厳選を通じて、ハードウェア、ソフトウェアの開発効率を高めることだ。

同社では、過去3年間で製品数を約30%削減してきたが、「競合他社の4社合計では50%のモデル数削減が行われており、これに比べても当社の削減は十分ではなく、まだ見直しの余地がある。コンポーネントの共通化やリユースなどにも取り組み、1モデルあたりの収益向上を図る」と、さらなるモデル数の削減に取り組む姿勢をみせた。  ローエンドモデルの投入については、「市場成長率は高いものの、当社のいまのやり方では厳しいとみている。製品の差異化が難しく、価格競争に巻き込まれやすい。このままでは大きな収益をあげることは難しいだろう。この市場に打って出るには、新しいコンセプトのプロダクトがないと難しい。数年をかけて新たな技術を仕込んでいく」と語った。

また、タブレットに関しては収益重視の姿勢は変わらないとしたほか、アクセサリービジネスについては、「プロダクトの世界観を作り上げるものであり、売り上げ規模が小さくてもやめるわけにはいかない」と述べた。