リアルタイム制御デモ(Photo04)

Photo04:右がCPUのみ、左がハードIPを利用してそれぞれピンポン玉の制御を行い、その際の負荷をLEDで表示するというもの

こちらは9月2日にR-INコンソーシアムの設立の発表を行った際に展示されたデモである。こちらも基調講演では中継で動作が示され(Movie02)、ハードIPを使うことでよりCPUの負荷を下げることが出来ることが示された。このハードIPは、要するにネットワークプロトコルのオフロードに加えて一部のOSの機能もハードウェアにオフロードしているわけだが、今は独自のμITORON v4相当のRTOSであるが、適当なドライバを書けば他のOSでもこれを利用可能、という話であった。

動画
Movie02(wmv形式)

もう1つ大きく展示されていたのが、R-INを利用した大規模なリアルタイム制御システム(Photo05)。ベースになっているのは同社のリモートI/Oトライアルキットで、これにコントロールパネルボックス(Photo06)を組み合わせたり、あるいは単体で動作させている形。

Photo05:ちょっと判りにくいが、手前の台から2本のEthernetケーブルが延びて壁面側につながっているのが判る。つまりこれ全部がまとめて1システムである

Photo06:コントロールボックスはスイッチとLEDが利用できるようになっている、要するに簡単なHuman I/F。壁面側はスペースの関係か、コントロールボックスも省いて直接リモートI/OトライアルキットにLEDを接続して表示している

リモートI/OトライアルキットにはR-IN32M3が搭載され、さらにEtherCATがすぐに利用できるようになっているので、要するにこのデモはR-IN32M3の大規模なディジーチェーン接続デモともいえる。ただ現在のリモートI/Oトライアルキットは24VのDigital Input/Outputは備えているものの、モータ制御が内蔵していないため、これは外付けという形になっている(Photo07)。これはそもそも現在のR-IN32M3がモータ制御まで考慮していないためだそうで、将来製品では対応するかも? との事。全体の制御には外部のシーケンサが利用されており、既存のFA環境にすぐ利用できることをアピールしていた(Photo08)。

Photo07:2つのリモートI/Oトライアルキットの下に並んだ黒いユニットが外付けのモータ駆動ユニット。これが上にある丸い「Renesas R-IN」という円盤(裏にモータが設置されている)を回転させていた

Photo08:シーケンサはOMRONのNJ301-1100が利用されていた