Renesas Devconではテクニカルセッションと並行して、ソリューション展示会場で様々な展示を行っていた(Photo01)。これをいくつかご紹介したいと思う。
自動運転デモ(Photo02)
Photo02:ほぼ実物大の自動車に近いサイズの模型に運転席と助手席が設けられ、フロントのプロジェクターには前面風景が投射されるという本格的なもの。ここにソリューションを提供した各社のロゴがまとめて示されている |
基調講演の中でも、会場からの中継(Movie01)の形で示された今回の目玉の1つがこの自動運転デモ。TOPPANの3次元のドライブシミュレータに、ルネサスのソリューションを核にする形で協力会社各社による自動運転システムが構築され、実際に来訪者がそれを体験できるという、実に判りやすいものであった。これが今すぐ実際の車に、という訳ではない(Photo01に出てくるAuto Parkingに相当するものはまだ存在しないから、このデモで見せられたドライブの風景が実現するにはあと10年はかかるだろう)が、具体的にR-Carでこんな事が可能になる、という能力がわかりやすく示されたデモであった。
ちなみにR-Carに関してはもう1つ、8月末に発表されたR-Car V2Hを利用してのADASシステムも展示されていた(Photo03)が、こちらは8月の発表と同じものだった。内容そのものはそんな訳で違いは無いのだが、若干細かい話が聞けたのでやや補足。
デモでは同時に4つまでの物体の認識とその表示を行っているが、このうちの一部処理はハードウェアで行っており、なのでトレースそのものはもっと多数に対して行えるが、ただしそれは「何をどこまで」認識するかにも関係してくるとか。単に「物体」と認識するだけならかなりの数が追跡できるが、「歩行者」「標識」etc…とそれぞれを認識し、更に歩行者については移動方向まで追いかけると当然負荷は増えるわけで、どの程度の機能を要求されるかで追跡できる物体の数は増減するという話であった。また今はあくまで単体での動作だが、将来的にはこれと自動操縦(Collision AvoidanceやAuto Brakeなど)との関連は考えられるとの事。ただ現状ではそこまでの用意はないという話であった。