iOSのもう一つの入力方法

キーボードが拡張され、選択肢が広がることは歓迎すべきだ。しかし、iOSそのものの日本語入力も熟成が進んでおり、必ずサードパーティー製のキーボードを使わなければ不便だ、ということもないだろう。英語キーボードで実現している、予測変換に文脈や相手の人を学習する機能が日本語でどのように活用できるのかも楽しみだ。

iOS 8の文字入力手段でもう1つ進化するポイントがある。それは音声入力だ。

Siri搭載以降、iPhoneのキーボードにあるマイクボタンを押すと、音声で入力することができるようになった。この精度はなかなかのもの。WWDC14でデモをしていたCarPlayでは、入力を全て音声で行い、メッセージ作成や返信も、音声入力以外受け付けない前提だ。それでも十分機能するよう設計・進化を続けている。

■フェラーリFFでのCarPlayのデモ

音声による入力は、ハンズフリーが必要な環境や、ウェアラブルデバイスにおいては必須の入力手段となっていく。長くiPhoneを使っているユーザーは日本語も英語も、あの画面内のキーボードに慣れてスピードが出るようになっているかもしれないが、日常的に声で入力するというユーザーが出てくることも考えられる。

ちなみに、メッセージアプリでは、音声を音声のまま届けることができるようになった。文字入力が面倒だという場合、また認識させた際の精度チェックもスキップしたいという場合、あるいはコミュニケーションの中の楽しみとして、声でやりとりするという場面も広がっていくだろう。

メッセージアプリで実現する音声入力。WWDC14では、新しく搭載したUIにより、手軽なジェスチャーで録音・送信するデモを披露していた