キーボードを拡張できるiOS 8

iOS 8のキーボードそのものも日本語変換ではおなじみだった「予測」を取り入れて進化する。しかしこれまで長らくApple純正のキーボードのみをシステム全体で利用するしかなかったが、他社製のキーボードを利用できるようになる。

iOS 8からは他社製キーボードに対応する。ジェスチャーや手書きなど、これまでにない入力方法を実現しそうだ。日本語入力についても期待したい

例えばiPhone・iPad向けにジャストシステムが開発する「ATOK Pad」のように、そのアプリの中だけで独自のキーボードと日本語変換を利用することはできていた。ATOKは、筆者もMS-DOSから利用している日本語変換システムの定番で、使いやすいペンのような存在になっている。

既にAndroid向けには日本語入力システム・キーボードとしてリリースされており、アプリ内に限らず利用できるようになっている。iOS 8で対応する他社製のキーボードの実装についても、アプリに関わらずiPhone内のあらゆるアプリで利用できるようになることが期待される。

「キーボード」の拡張というが、必ずしも入力手段が実物のキーボードの再現でなくても構わない。例えば、キーボードの表面をなぞるようにして入力できる「Swype」や、手書きで文字認識をしてくれる「mazec」など、全く異なる入力方法をiOSで利用できるようになる。

mazecを開発するMetaMoJiは、Appleの年次開発者イベントWWDC14が開催され、キーボード拡張が発表された基調講演直後の6月4日に、iOS 8向けにmazecをキーボードとして提供することを表明した。また日本語入力プログラム「かわせみ」を開発する物書堂は金融や医療といった「専門用語を多用する業種向けの辞書を搭載した日本語入力システム」に関心を寄せている。

OS X向けに特に日本語入力環境について、選択肢が広がることが期待され、快適な日本語環境を「選べる」ようになるだろう。