さて、CPU(CPUクーラー)、マザーボード、メモリ、ストレージ、電源、OS、PCケース……。PCを構成するパーツはいろいろあるけど、まずは最も基本のパーツ「CPU」を選ぼうか。


はい! しーぴーゆーって、中央演算装置……ですよね。さっき店員さんが教えてくれました~!


CPUはPCの基本性能に大きく影響する、PCの「頭脳」とでも言うべき重要なパーツね。PC向けに限定すると、主なメーカーはIntelかAMDの2社。特別な理由がなければIntel製CPUを選んでおくと無難ね。まあ私はAMD派だけど。

性能はピンキリで、性能が高いCPUは高価で、低いCPUは廉価。価格と性能はほぼ直結すると思っていいわ。その分、予算に応じて欲しい性能のCPUを手軽に選べるんだけどね。


うーんと、つまり、PCのおおまかな性能を決める基本パーツなんですね。IntelとAMDって、具体的にはどう違うんですか?


性能を別にすれば、まずは対応するマザーボードがIntel対応か、AMD対応かで異なるね。

マザーボードにはCPUを取り付ける「ソケット」があって、このソケットの形がIntelとAMDで違うから、まずはここに注意。

あとはメーカーに限らず、オーバークロック(OC)対応かどうか、拡張スロット数やSATA3対応かどうかなどなど! PCの拡張性にも大きく関わるわね。


オーバークロック……定格以上の動作周波数でプロセッサなどを動作させること。基本的には動作保証外となるため、自己責任で行う。
拡張スロット……グラフィックスカードやサウンドカードなど、PCに機能を追加できるスペースのこと。インタフェースはPCI Express規格が多い。
SATA3……光学ドライブやストレージなどをPCに接続するための規格Serial ATA規格のひとつ。SATA3の理論上の最大転送速度は6.0Gpsで、SATA(6.0Gbps)とも表される。


むっちゃん先輩、今の日本語?


ニ・ホ・ン・ゴ・で・す。


詳しい説明は実際にPCを組み立てる時に説明するけど、今回は無難に、ミドルクラスのIntel Core i5-4690を買いますか。最新のHaswell Refreshだしね。

今回はゲーミングじゃなくて機能を絞ったベーシックモデルが目的だから、Coe i5-4679買っちゃうなら、グラフィックスはCPU内蔵でいいかなあ。CPUがこのクラスだとグラフィックスカードは20,000~30,000円のモデルじゃないと、あまり意味がないんだよね。


Haswell Refresh……Intelの第4世代Core iシリーズ「Hasell」の動作周波数アップ版で、2014年5月に登場した。特に低電圧モデルのラインナップが拡充されており、省電力で高性能。


CPUが決まったら、次はマザーボードね。自分が買ったCPUに対応するマザーボードを選ぶの。今回はIntel Core i5-4690だから、ソケットLGA1150対応のマザーボードを選ばないとね。

マザーボードはCPUソケットのほかに、SATAやメモリスロット、PCI Expressスロット、USBスロットなどなど、PCのパーツをすべて接続する基板よ。PCのインタフェース構成はマザーボードで決まるんだけど……あれ、のやまっくすどうしたの?


LGA1150……Intel対応のCPUソケット名のひとつで、HaswellアーキテクチャのCPUに対応する。ちなみにAMD対応のソケット名は「Socket AM3」や「Socket AM2+」など。
メモリスロット……マザーボード上のメモリ差し込み口。



わあ、これがマザーボードかー! むっちゃん先輩! 見てこれ! 超かっこいい! 線路みたいな丸い金属が付いてて、オモチャの電車が動きそう!


ソウダネー、コレ線路ミタイダヨネー。


…………って、どの辺が!?


え~、ここですよ~。この丸い金属のところとか、細長い金属のところとか~!


のやまっくすが言う「ここ」


……ああ、ヒートスプレッダね。丸い部分は、SATAやUSBインタフェースのコントローラが収まっているチップセットを冷やすためね。マザーボードに搭載されているインタフェースの種類や数は、このチップセットで決まるんだよ。


ヒートスプレッダ……PCパーツの熱を冷やすための金属板。

選び方のポイントとしては、さっきも言った通り購入したCPUに対応していること、どんな端子や拡張スロットが載っているかチェックすること。例えば自分が持っているディスプレイの入力端子がHDMIだった場合、DVI出力のマザーボードだとつながらないでしょ? 変換ケーブルを使わないとつなげなくなっちゃう。

あと大事なのはフォームファクタ。主にマザーボードの大きさが違うんだけど、今回はATXかmicroATXでいいかな。Mini-ITXは用途的にちょっと合わないし。

フォームファクタ……マザーボードの大きさや、ケースに取り付ける際のネジ穴の位置、I/Oパネルの位置などを規定化した規格。


マイクロ? エーティーエックス? ミニ……ミドル?


エーティーエックス、マイクロエーティーエックス、ミニアイティーエックス。

一般的にATXは244×305mm、microATXは244×244mm、Mini-ITXは170×170mmくらいのサイズ。他にも幾つか派生規格はあるけど、最初に組むなら一般的なATXかmicroATXがおすすめかな。


へ~詳し~い! 私、今初めてむっちゃん先輩のこと見直しました~!


えっ……今までは!? ねえ今までは!?


私、マザーボードはさっきのプラレールみたいなかっこいいやつがいいです~!


それじゃあ、ASUSの「ASUS Z97M PLUS」がいいかな。LGA1150対応のmicroATXマザーボードね。

チップセットの「Z97」はOC対応の型番で、今回買ったCPUはOC非対応だから要らない気もするけど、これからCPUだけOC対応にアップデートできるわけだし、まあいいかな。お値段も15,000円強だからほぼ予算通りだね。


わーい! 嬉しい~!