米Intelが去る3日にCOMPUTEX TAIPEI 2014で発表した「Intel Core i7-4790K」(開発コード名:Devil's Canyon)。COMPUTEX TAIPEI 2014会場でもIntelをはじめ、マザーボードメーカーがこぞってオーバークロックのデモンストレーションを公開し、話題を集めていた。

Devil's Canyonの概要

さて、そのDevil's Canyonを編集部でいち早く入手できたので、詳細なレビューを行う前に前に小手調べとして、ざっくりとオーバークロックを試してみることにした。Devil's Canyonに関する詳細やCOMPUTEX TAIPEI 2014でのデモの様子は下記を参照いただきたい。

■「COMPUTEX TAIPEI 2014」の記事はこちら
【レポート】COMPUTEX TAIPEI 2014 - Intel、Devil's Canyonのファンレス環境ベンチマーク公開 - クロック4.5GHzで安定動作を確認
【レポート】COMPUTEX TAIPEI 2014 - MSI、「Devil's Canyon」でオーバークロックデモ、極冷で6.4GHzを記録
Intel、新TIMを採用したCore i7倍率アンロックモデル「Devil's Canyon」発表

Core i7-4790Kの主なスペックは、コア/スレッド数が4コア/8スレッド、ベースクロックが4.0GHz、Turbo Boostは4.4GHz、キャッシュが8MB、対応メモリはDDR3-1600、グラフィックスがIntel HD Graphics 4600、TDPは88W。

表の外観はもちろん変わらないのだが、裏側を見るとキャパシタが追加されていることが分かる。Intelではダイに対して安定して電源を供給するためにこのキャパシタを追加したと説明している。

左がDevil's Canyon、右がHaswellことCore i7-4770K。中央のキャパシタの部分が異なるのが分かるだろう

CPU-Zを見ると製品名や開発コード名はまだ反映されていない。また、COMPUTEXでのデモでは、Turbo Boostの動作倍率が45倍の4.5GHzとされていたが、Intelの情報サイト「ARK(Automated Relational Knowledge base)」では、Turbo Boostは4.4GHzと表記されている。

CPU-Z ver169.2での表示

さて、今回はIntelが提供するツールである「Intel Extreme Tuning Utility(XTU)」を使った。小手調べということで、倍率変更によるシンプルなオーバークロックを行い、内蔵のベンチマークツールの完走を目指した。テスト環境は以下の通り。ちなみにCPUクーラーはたまたま手元にあったリテールの「E41759-002」を使用した。

■表1 今回のテスト環境(内蔵GPU編)
CPU Intel Core i7-4790K
M/B ASUSTek Z97-Deluxe
BIOS BIOS 0603
Driver Intel Chipset Software V10.0.13.0
Memory Kingston KHX2133C9A03X2K2 2GB×2枚
Graphics Intel HD Graphics 4600(内蔵GPU)
Graphics Driver Intel Graphics Accelerator Driver V10.18.10.3469
Storage Samsung SSD 840 250GB
OS Windows 8 Pro 64bit(Build 9200)

この条件で44倍から倍率を上げていったところ、49倍までテストが完走した。動作周波数はおよそ4.9GHzで、CPU温度は98度。常用にはほど遠いのだが、最低限の性能しか持たないリテールクーラーでもここまで上がるとは驚きだ。

定格(4.0/4.4GHz)でのベンチマーク結果

倍率変更だけで4.9GHzまでオーバークロックできた。ただ温度的にはかなり厳しく危険

オーバークロック時のCPU-Z

COMPUTEXで何人かのオーバークロッカーに話を聞いたところ、空冷でも5GHzを超えるところまでもっていけるとのことだが、確かにより冷却能力が高いクーラーを使うことで十分そこまでいけるだろう。これまでのHaswellよりも高いクロックで常用できる可能性も高い。オーバークロッカーに限らず、高いパフォーマンスを求めるヘビーユーザーの期待に応えるだけのポテンシャルはありそうだ。

ひとまずは速報としてCore i7-4790Kのファーストインプレッションをお届けしたが、弊誌では詳細なレビューも予定しているので、ご期待いただきたい。