むっちゃん先輩、そもそも、なんでPCを自作する必要があるんですか~? この間見てきたんですけど、PCって、普通に家電量販店で売ってるじゃないですか~。


お、行ってきたんだ、えらいえらい。自作PCのメリットは、「自分に合ったパフォーマンスで組める」「長い目で見ればお得」ってところかな。

例えば、財力に余裕があれば最大8TFLOPSの演算性能を持つ「NVIDIA GeForce GTX TITAN Z」や 11.5TFLOPS超えの「AMD Radeon R9 295X2」を2~3台入れることもできるし、逆にそこそこの性能のPCを50,000円くらいの格安で組み立てることもできる。

あと、故障した場合や性能が物足りなくなった場合でも、自分に必要な機能だけアップデートすればいいから、PCを丸ごと新しく買い替えなくて済むのよ。

TFLOPS……テラフロップス。1TFLOPSで1秒間に1兆回の浮動小数点数演算(実数計算)を計算できる性能をあらわす。
NVIDIA GeForce GTX TITAN Z……NVIDIAのフラグシップGPU。ウルトラすごい。実売で約40万円前後。
AMD Radeon R9 295X2……AMDのフラグシップGPU。ハイパーすごい。実売で約20万円前後。


つまり「自分好みのPCを最小限の費用で組める」ってことですね。あ、なんかお得そう! でも、PCってそう簡単に組めるものなんですか?


パーツさえ揃ってればね。のやまっくす、PCがどういうパーツで構成されているか、知ってる?


え~、なんでしょう、ディスプレイ……とか?


それも確かにそうなんだけど、ディスプレイは「表示装置」のことで、厳密にはPC本体ではないね。

PCを構成している基本パーツは、OSCPU(CPUクーラー)マザーボードメモリストレージ電源PCケース。必要に応じてグラフィックスカードや、光学ドライブを付けることもできる。

もちろん実際にPCを使うにはディスプレイやキーボード、マウスのような周辺機器も必要だけどね。


えっと~、しーぴーゆーって名前は、聞いたことあります! でも、何をするパーツなのかは良くわかりません……。


よろしい。じゃあのやまっくす、さっそくパーツ集めに秋葉原に行くよ!


えっ? えっ? ちょっとむっちゃん先輩、待って下さいよ~!


*  *  *

実写です。

ふっ……とうとうこの地に舞い戻って来てしまったか……。これもシュタインスゲートの選択ということかな……。


シュタインスゲート……秋葉原を舞台にした架空のゲーム作品。通称シュタゲ。余談だがむっちゃん先輩はアニメから入ったため編集部で異端児扱いされている。


むっちゃん先輩何ですかそれ、昭和ネタですか? 私平成生まれなんでそういうのやめて欲しいんですけど……。


めちゃくちゃ平成ネタよ! なによ一般人ぶって! 秋葉原に来てるのに空気読まない発言しないでくれる!


まあいいや、ここが今回PCパーツを買うPCショップ「TSUKUMO eX.」よ。PCパーツ関連で迷ったら、とりあえずココに来れば用事はぜんぶ足りるわ。秋葉原でも大きなPCショップのうちのひとつだから、覚えておいてね。

秋葉原のパーツショップは他にも、「ドスパラ」や「ソフマップ」、「サンコーレアモノショップ」、「あきばお~」、「じゃんぱら」……などなどいろいろあるから、歩いて回ってみても楽しいよ。


わあ~大きい建物ですね~! ここ、全部PCパーツを売っているんですか?


店舗によって品揃えは異なるけど、TSUKUMO eX.で販売しているのは、ほぼ自作PCパーツね。「G-GEAR」とか、自社ブランドのBTOパソコンや、プリンタ、キーボードなんかの周辺機器も扱って……。


あっ入口だ! むっちゃん先輩、行ってみましょうよう!


人の話聞けよ!

BTO……Build to Order。注文に応じて製品を組み立てて出荷するビジネスモデル。
G-GEAR……ツクモのゲーミングPCブランド。


ところでのやまっくす、どんなPCを作りたいの? 例えば「シムシティ」を24時間粘着して進めたいとか、テレビも見たいとか、なんだったらPCでハイレゾ音楽聞きたいとか、いろいろあると思うんだけど。

目的に合ったPCを作れることが自作PCの魅力だから、まずは自作PCで何をしたいか、どんなPCを作りたいかを考えてみた方が良いね。


シムシティ……Electronic Artsによるゲームソフト。プレイヤーが「市長」として自分の都市をつくり、市民の幸福と都市の発展を目指し決断を下していく都市開発シミュレーション。
ハイレゾ音楽……高解像度(High Resolution)な音楽のこと。一般的には通常の音楽CD(44.1kHz/16bit)以上の情報量を持つ音楽データ(例えば192kHz/24bitなど)を指す。


うーんと、メールが送れれば何でもいいです! あ、でも仕事で使いたいので、写真の加工とか、WordとExcelとPDFを一緒に開く、くらいのことがサクサクできるといいんですけど、どうでしょう~?


そんじゃ、「機能を絞ったベーシックモデル」をコンセプトに自作しようか。

せっかくの自作だし、のやまっくすが言った性能よりちょっと良いスペックにしても、だいたい10万円くらいの予算で組めそうね


合計10万円! 思ってたより安い~! 自作PCってデスクトップだし、もっと高いかと思ってました!


それにしても秋葉原のお店ってもっと暗くてごちゃごちゃしてて埃っぽくて汗くさそうなイメージだったけど、ここは結構キレイですね~。


どんだけアキバのイメージ悪かったの。

ツクモの店員さんに自作PCの説明をひと通り受けてます。


ねーねー。ここの店員さん、イケメンじゃない?


きゃ~、ほんとイケメンですよね! どうしようむっちゃん先輩、私ここで運命の人に出会っちゃったかもしれないです~!


(スルー) 店員さんに説明してもらったその記入シートだけど、自作パーツが買える大きなお店は、だいたいどこもパーツ構成を選ぶための記入シートが置いてあって、どの階で何がいくらで買えるかが書き込めるようになってるんだよ。

作りたいPCが全部でどのくらいの価格になるのか、見積もりにも使えて便利。あと、このグラフィックスカードが欲しいんだけど他はどんなパーツで組めばいいの? なんて相談にも乗ってくれるよ。


このシート……んん~? ケースファン? サウンドカード? ……これ、全部揃えないとPCにならないんですか?


さっき言った基本パーツがあれば、ケースファンやサウンドカードはなくてもPCを組むことはできるよ。まあ、順を追って説明していこう。

さっき言った基本パーツ……CPU(CPUクーラー)、マザーボード、メモリ、ストレージ、電源、OS、PCケース