音声定額は先行して提供

もともと、KDDIでは新料金プランの導入をもう少し遅らせる計画だった。しかし、ソフトバンクが先んじて発表。ドコモがさらにそれよりも優れたプランを発表し、ソフトバンクが追随したことで、対抗を余儀なくされた。各社の新料金プランによる契約者の流出の影響は特段なかったようだが、問い合わせは多く、KDDIでも前倒しで発表する形となった。

そのため、新料金プランの導入は段階的に行われる。まず7月1日から電話かけ放題プランがスタート。8月13日からは段階制のデータ料金も導入し、「カケホとデジラ」がスタートする。しかし、データギフトの機能は12月1日からの導入となるため、その間はそれぞれの容量が20%増量するキャンペーンを実施する。

サービス開始を前にキャンペーンも実施する

田中社長は「お客様それぞれのデータライフに合ったスーパーオトクな料金」と強調。カケホとデジラの料金をアピールする。

KDDIは、従来の料金プランも当面維持する計画で、機種変更、新規契約のいずれでも、新旧のプランを選択できる。ユーザーの動向を見ながら調整もする見込みだ。

新料金プランでは、今まで通話の多かったユーザーが移行し、かけ放題プランになることで、一時的に音声ARPUは減少する見込み。同様にデータARPUも減少するが、その後ユーザーの契約が増えれば回復する、という予測で、今期の業績には織り込み済みだという。

田中社長は、ソフトバンクの新料金プランが発表された当初、特に音声プランに対して「あれ、高いよね」と発言し、対抗策が期待されたが、音声に関しては月額2,700円で横並びとなった。社長自身、「少し高い気がしないでもない」と正直な感想だが、月額980円の従来プランも残すことでバランスを取った格好。また、音声定額になると、音声利用が「4割伸びるという調査もある」(同)としており、新しい音声の使い方を想定する。