他社との競争について

今回のプランは年内スタート予定の「VoLTE」サービスも見越しており、LTE上での音声サービスであるVoLTEとデータ通信を組み合わせた新たなサービスなどで活用される模様。とはいえ、田中社長は「申し訳ないが他社と一致させた」とコメントしており、現時点では音声プランでの競争は回避された格好だ。

携帯電話の料金は、フィーチャーフォン時代に段階制の料金で、複雑な料金体系だったためフラット化が進んだ。しかし、スマートフォンが進んで、さまざまな利用者が増えると、フラットだけではカバーできなくなり、再び段階制の料金が要望されるようになってきた。こうした段階制への回帰は、「料金スキームとしては王道」(同)で、その中でKDDIは、家族間でのデータの扱いでギフト型を採用し、他社と差別化を図った。

田中社長は、5月の発表会でキャリアアグリゲーションなどのネットワーク、端末、サービス、サポート、ウォレットという観点から今夏の戦略を説明し、「新しいステージに向かっていきたい」と意気込んでいたが、そこで未発表だった「料金」が今回発表され、戦略が出そろった。もくろみどおりにユーザーが動くかどうか、今後の動向が注目される。

「ミッシングリンク」(同)だった料金プランが発表され、今夏の戦略が出そろった