スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「スマートホーム」についてです。

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6月3日の午前2時(日本時間)、Appleが毎年6月に開催する開発者向けイベント「WWDC」は、CEOや幹部社員が登壇する基調講演で幕を開けます。WWDCの内容は基本的に秘密保持契約で守られているため報道されませんが、基調講演は例外です。新製品/サービス発表の場でもあるWWDCの基調講演は、スマートフォン分野の1年を占う一大事であるといっても過言ではありません。

基調講演の内容は事前に公表されることはありませんが、Appleの製品/サービスはその注目度の高さゆえに、「噂」が先行します。なかでも「スマートホーム」は、今年の基調講演における重要なテーマになるのではと言われているようです。

明確な定義はありませんが、スマートフォンを車軸の中心(ハブ)に見立て、ドアロックやエアコンの温度などを管理する役割を持たせることがスマートホームの意義のひとつです。情報設備を持ち家電などの機器を制御する住宅は、1980年代から「スマートハウス」などと呼ばれ実験が繰り返されてきましたが、ここ数年で操作用デバイスとしてのスマートフォンがクローズアップされるようになりました。

これまでスマートホーム/スマートハウスの提案は住宅メーカーや総合家電メーカーが中心でしたが、今後はスマートフォンプラットフォームを抱えるIT企業が中心となる可能性があります。住宅メーカーや総合家電メーカーからのアプローチは、どちらかといえば太陽光発電や蓄電設備といったHEMS(Home Energy Management System)からのものでしたが、スマートフォンからのものは使い手目線になると考えられます

どのような機能がサポートされるかは予想の域を出ませんが、家電やホームセキュリティ機器をスマートフォンから監視/遠隔操作する機能は必須と考えられます。「iBeacon」や「NFC」などの近距離無線通信機能も、積極的に活用されることでしょう。サードパーティーが対応機器やアクセサリを開発しやすいよう、認定プログラムが設けられるかもしれません。Googleも家庭用機器メーカーNest Labsを買収するなど当分野で動きを見せているだけに、6月3日のWWDC基調講演が注目されます。

スマートフォンやタブレットから家電やセキュリティ機器を遠隔操作することが当たり前の時代は近いかもしれません(写真はイメージです)

(記事提供: AndroWire編集部)