日本マイクロソフトは6月2日、12型Windowsタブレット「Surface Pro 3」を発表した。7月17日より順次発売する。都内で開かれた記者会見では、日本マイクロソフト 代表執行役 社長の樋口泰行氏と、米Microsoft コーポレーション ジェネラルマネージャー Surface & Windows Hardware セールス&マーケティング担当のブライアン・ホール氏が登壇し、Surface Pro 3の魅力をアピールした。

最初に樋口氏は、「現行モデルのSurface Pro 2は厚く、少し画面が小さいとフィードバックがあったが、Surface Pro 3は、これらニーズに応え、フルPCの機能を持った」と語った。そしてホール氏は「ラップトップ(編注:日本で言うところのノートPC)を置き換えることができる」と自信を見せる。厚さ9.1mmと薄型にしただけでなく、すべてのアプリケーションを活用するために、すべてをデザインしなおしたという。

Surface Pro 3を片手に登場する日本マイクロソフトの樋口氏(写真左)、IDCのデータによると、家電量販店の7型から11.6型タブレットにおけるマイクロソフトのシェアが30%を超えたという(写真右)

ブライアン・ホール氏(写真左)。Surface Pro 3は、タブレットやノートPCに対するユーザーの「ジレンマ」を解決できると熱弁(写真右)

オプションの「Surface Proタイプカバー」(いわゆるキーボード)は、マグネットで本体と着脱できるほか、ヒンジが2段階に可動する新構造になった。膝の上など不安定な場所でも安定して使えるという(写真左)。Intel Core i7(上位モデルのみ)を採用するために開発されたファン(写真右)

例えば、Officeソフトを利用する場合、ペン入力かタッチ操作かをSurface Pro 3が判断。入力に応じた描画などを行うため、ユーザーは直感的に使用するだけで、設定のたぐいは不要

Surface Pro 3、どんなタブレット?

Surface Pro 3のラインナップや価格は既報を参照いただくとして、概要を簡単にまとめよう。Surface Pro 3は、日本マイクロソフト初の12型Windowsタブレットだ。既存モデル(主にSurface Pro 2)に対する数多くのフィードバックを受け、ノートPCとタブレットの2台を持つことなく、1台で完結できること、また紙の代替使用に注力し、画面サイズから見直して新設計した。

画面は12型2,160×1,440ピクセル(アスペクト比3:2)で、約216ppiと高精細。CPUには第4世代Intel Core i3/i5/i7を採用した。4Gバイトまたは8Gバイトのメモリ、ストレージのフラッシュメモリ容量は、64G/128G/256G/512Gバイトから選択可能だ(モデルによって異なる)。プリインストールOSはWindows 8.1 Pro 64bit版。

Surface Pro 3本体に、専用アクセサリ「Surfsce Proタイプカバー」を装着した様子(写真左)。本体の厚さは9.1mmで、薄型軽量ボディに第4世代Intel Coreプロセッサを搭載するために、30%効率化したファンの冷却機構を新開発した(写真右)

本体サイズはW201.4×D292.1×H9.1mm、重さは約800gを実現。現行モデルのSurface Pro 2は10.6型ディスプレイ、13.5mm厚、約907gだったので、画面サイズを大きくしながら、大幅に薄型/軽量化したことになる。

本体背面に標準装備するキックスタンドは、画面を立てた状態から150度まで、柔軟にチルト角を調整できるようになった

背面のキックスタンドは、Surface Pro 2では2段階の角度調整だったが、Surface Pro 3では画面を立てた状態から150度まで柔軟な角度調整に対応した。筐体の素材はマグネシウム合金だ。

ワイヤレス機能はIEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.0を標準搭載。側面のインタフェース類はUSB 3.0(フルサイズ)、microSDカードスロット、Mini DisplayPort出力、ACアダプタ用のDC入力、音声入出力、カバー用ポートだ。

また、500万画素で1080p動画撮影に対応したフロント/リアカメラ、前面Dolby Audio対応ステレオスピーカー、ステレオマイクを備える。センサー類は、照度、加速度、ジャイロ、電子コンパスを内蔵する。バッテリ駆動時間は、Webブラウズ時の公称値で約9時間だ(現時点でJEITA想定法によるバッテリ駆動時間のデータはない)。そのほか、手書きノートアプリ「Note Anytime for Surface」、36ワット電源アダプタ、SurfacePenが付属し、1年間の製品保証が付く。

底面の様子(写真左)、背面(写真右)

液晶ディスプレイは従来同様マルチタッチに対応するほか、筆圧対応(256レベル)のデジタイザスタイラス(付属のSurface Pen)によるペン入力も行える。デジタイザスタイラスは新デザインのペンを採用したことに加えて、感度を向上し、ペン先と画面表示の視差を低減したという。

ペンとOneNoteの連携機能も追加された。ペンをクリックするとOneNoteが起動し、ペンを画面に押し当てることで、紙ノートの感覚でデジタルメモを手軽に取れるとうたう。また、範囲選択をしてペンをダブルクリックし、静止画キャプチャしてOneNoteに送ることも可能だ。さらに、幼児の学習ソフトとして、漢字練習用のテンプレートが用意された。

Surface Pro 3のアクセサリ

Surface Pro 3専用アクセサリを4種類、7月17日に発売する。Surface Proタイプカバーは12,980円(税別)で、カラーバリエーションは4色(ブラック、ブルー、パープル、シアン)の展開。従来どおりキーボードバックライトを内蔵し、マグネットで本体と着脱できるほか、ヒンジが2段階に可動する新構造になった。

予備用の「Surface Pen」は4,980円、ギガビット対応「イーサーネットアダプター」は3,980円、36ワット電源アダプタは7,980円(いずれも税別)で、同じく7月17日に発売する。

Surface Pro タイプカバーの利用イメージ(写真左)。Surface Pen(写真右)