先日取材で香港と深センの2つの都市を周遊する機会があったが、ここで非常に興味深いトレンドを見かけた。中国への返還前から生活水準や所得が高い香港に対し、中国でもトップクラスの高所得者の集まる街ではあるものの、香港に比べればまだまだ所得や物価は低い深セン。香港滞在中は5インチオーバーの最新のハイエンド端末を使う人々を多く見かけた一方で、深センではどちらかといえば画面サイズが若干小さく、端末も1~2世代前のものを使っている場面に多く遭遇している。

世代が古い端末を購入したほうが値段も安く、ディスプレイサイズも前の世代の端末であるために小さいことが多いためだ。つまり、所得水準とディスプレイサイズが、ある程度リンクしているようなのだ。

実際、深センで入手した中国移動通信(China Mobile)の端末セールの会場のビラでは、ディスプレイサイズで製品がカテゴリ分けされており、値段にも明確な差が出ている。もちろん、メーカーごとの細かい差異やスペックの差もあるが、「ディスプレイサイズ」「値段」「所得水準」には相関関係が存在している。

深セン市内の端末セール会場で配られていたチラシ。ディスプレイサイズを基準にカテゴライズされており、値段もほぼそれに沿っている。5インチ未満の端末中心というのもポイントだ