米Appleが6月初旬に開催予定のWWDC 2014で発表するとみられる最新バージョンの「iOS 8」において、iPadを対象に1つの画面上で2つのアプリを同時動作可能な「画面分割マルチタスク」を導入するという噂が持ち上がっている。仕組み的にはMicrosoftがWindows 8/8.1で導入したフルスクリーン画面に複数アプリを配置できる仕様に似ており、アプリ間でのテキスト文書や画像受け渡しがより簡単になるという。
同件は9 to 5 Macが関係者の話として報じている。現在、iOSのストアアプリではフルスクリーン動作しか許容しておらず、フォアグラウンド以外のアプリはスリープ状態へと入り、特定の条件下でのみ一部動作を継続実行できることが許可されている。これはiOS 4でマルチタスクが初めて導入されたときからの仕様であり、主にバッテリ消費を抑えるための施策だった。
だが9 to 5 Macによれば、iPadにおいてApple謹製アプリまたは新しいストアアプリを1つの画面上に分割配置し、同時動作が可能になる仕組みが導入される可能性があるという。見た目上はWindows 8.1で導入された画面分割による2アプリの同時動作に似ているとみられ、もし実際にiOS 8に導入されることになれば、マルチタスク採用以来の大きな変化となる。ただし画面分割を許可する場合、アプリ側が画面分割を前提にしたユーザーインターフェイスやレイアウトを用意する必要がある点が問題となるだろう。
このほか、9 to 5 Macではこの画面分割マルチタスクと並んで、アプリ間でテキスト文書や画像などを簡単にやりとりできる仕組みも導入が計画されていると報じている。現在、例えばWeb上のテキストを拾って文書作成ソフトにコピー&ペーストする場合にはいちどアプリを切り替える必要があるが、これを(おそらくは画面分割を使って)ドラッグ&ドロップで簡単に行えるようになるかもしれない。以前に、過去のiOSバージョンで採用計画のあった「XPC」というApp Storeを介した通信機能がiOS 8で導入される可能性について紹介したが、このXPCが正式採用され、アプリ間での通信インターフェイスが確保されるのかもしれないという分析だ。いずれにせよ、iPadの画面スペースを有効活用する仕組みとして、採用の際には目玉機能の1つになるだろう。