「Bay Trail-T」の上位版を搭載

HP Omni 10のスペック面をもう少し詳しく見ていこう。CPUのIntel Atom Z3770は4コア4スレッドのSoCで、「Bay Trail-T」の開発コードネームで知られる「Atom Z3000」シリーズの上位版。動作周波数は1.46GHzだが、最大動作時には2.39GHzまで上昇する。タブレット向けのプロセッサとしてはかなりパワフルで、高いパフォーマンスを期待できるだろう。

グラフィックス機能は、CPU内蔵のIntel HD Graphicsを利用する。DirectX 11に対応してはいるものの、性能面ではやや非力だ。とはいえ、3Dゲームをプレイするのでなければ特に問題はないと思われる。

「CPU-Z」によるAtom Z3770の詳細情報

「GPU-Z」による内蔵GPUの詳細情報

メモリはDDR3 2GBで、ストレージには32GBのフラッシュメモリ(eMMC)を採用している。32GBのストレージ容量のうち、実際に使える空き容量は約18.1GBだ。今回のレビューにあたって検証用のソフトやファイルを複数使ったのだが、約18.1GBの空き容量は十分なように思えても、実際に使ってみると少ない。microSDHCカードやクラウドストレージなどを利用して、本体ストレージには大量/大容量のファイルを残さないように運用するといいだろう。

試用機ではストレージとしてSKハイニックス社の「Hynix HBG4e」が利用されていた(写真左)。ドライブに割り当てられている容量は28.35GBで(写真中)、利用可能な空き容量は18.1GBとなる(写真右)

液晶ディスプレイのサイズは10.1型で、解像度は1,920×1,200ドットのWUXGA。パネル部分には耐傷性の高い強化ガラス「ゴリラガラス3」を採用している。タッチ操作は5点マルチタッチ対応で、指すべりもよく快適に操作できる。液晶パネルはISPではないものの発色は良好で、実際に使っていて特に不満を感じる場面はなかった。ただし視野角がIPSパネルよりもやや狭めである点に注意したい。

液晶ディスプレイの解像度は1,920×1,200ドット。明るさや発色は十分

IPSパネルに比べると視野角が狭い

用意されているインタフェースは、microUSB、microHDMI、microSD/SDHC対応メモリカードスロットなど。通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LANと、Bluetooth 4.0に対応している。Webカメラはフロント約200万画素、リア約800万画素の構成だ。とりたてて高機能というわけではないが、Windows 8.1タブレットとしては標準的な仕様だろう。

本体上面部には電源ボタン(写真左)。底面には電源コネクタやmicroUSB端子、microHDMI端子、microSDカードスロットのほか、ステレオスピーカーなどが配置されている(写真右)

本体左側面はヘッドホン端子のみ(写真左)。右側面にインタフェース類はない(写真右)

HP Omni 10の背面。ボディには傷が付きにくい強化プラスチックを採用している。上部には有効画素数約800万画素のリアカメラを配置し、左側には音量ボタンを用意

本体底面部のカバーを外すことで、microSDカードスロットを利用できる。試用機にはリカバリー用データを記録した8GBのmicroSDHCカードが挿入されていた