ストリーミングサービスは大きな伸びに

iTunes Music Store(現在のiTunes Store)が登場して以来、米国のデジタル音楽市場は拡大を続けてきた。しかし2013年に初めて、その傾向に転機が訪れた。Nielsen SoundScanの調査によると、2013年は楽曲の販売が5.3%、アルバムの販売が0.1%それぞれ減少した。一方で、まだ市場全体の中では小さなシェアだが、ストリーミングサービスは3倍という大きな伸びを見せているという。

ストリーミングサービスのブランドとしては、PandraやSpotifyが真っ先に上げられる。またAppleはiTunes Radio、GoogleはGoogle Play Music All Accessというそれぞれのストアのアカウントで利用できる音楽ストリーミングサービスを始めている。そして、意外なことに、Googleのビデオ共有サービスYouTubeも、ストリーミング音楽のカテゴリに記録されている。ミュージックビデオとしてYouTubeで音楽を楽しむスタイルは、あまり珍しい光景ではなくなっているからだ。

Pandraウェブサイト。米国、豪州、ニュージーランド以外の国からはアクセスできない旨が記されている

Spotifyウェブサイト。日本でも開始準備のアナウンスが出ているがこの状態は数カ月続いている

iTunes Radioについて書いた原稿では、音楽との出会い方の変化を指摘したが、好きなアーティストの音楽をとことん楽しみたい場合も、YouTubeなら映像付きで楽しむ事ができるし、ストリーミングサービスであれば自分の音楽ライブラリに入っていない、もしくは同期していない音楽も含めて聴けるため、今までのiPod以来のiTunesによる音楽の楽しみ方にはない付加価値がある。