本連載ではAppleが取り組むiPhoneやモバイルサービス、そしてこれから作りだされる未来の生活について、ジャーナリストの松村太郎氏が深読み、先読みしながら考えていく。今回は「Macworld/iWorld 2014で見たiPhoneアクセサリの近未来」をテーマに、注目のアクセサリを見て行きたい。

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サンフランシスコで3月27日から29日に、Macworld/iWorld 2014というイベントが開催された。このイベントは毎年行われる恒例の展示会で、MacやiPhone、iPad関連などAppleに関連する周辺機器やアクセサリの展示、テックトークなどの催しがあった。主催はIDG World Expo。

Macworld iWorld 14の会場となったサンフランシスコ・Moscone Center North

このイベントの歴史は古く、Appleにとって重要な発表が多数行われてきた場でもある。

1985年にサンフランシスコで開催されてから、ニューヨークや東京などの都市でも行われ、1997年以降は、AppleのCEOだったSteve Jobs氏による基調講演も開催されていた。1998年のサンフランシスコでの基調講演でiMacとPowerBook G3が、1999年のニューヨークではiBookが、そして2007年のサンフランシスコではiPhoneとApple TVが披露され、また「Apple Computer」だった会社名を「Apple」とすることも合わせて発表された。

しかし2009年を最後に、Appleはこのイベントへの参加を取りやめ、基調講演も行われなくなった。iPhoneによってAppleのブランドが一段と高まり、またユーザー層も大きく広がったが、Appleが参加しなくなったことにより、他の出展者の減少も始まり、イベントの規模も縮小している。

2011年には、それまで「Macworld Expo」と称していたイベントを「Macworld | iWorld」と改め、どちらかというとトレードショーの雰囲気が強かった会場も、昨年のイベントのサブタイトルに「iFan Event」という文字もあったように、一般消費者が楽しめる方向へと変化している。会場内では、来場した人が出展ブースの商品をかなり 安く購入でき、お目当てのアクセサリを手に入れるために来場する人も多く見られた。