撮影機能としては、13種類の特殊効果が楽しめるピクチャーエフェクトや、発色傾向をカスタマイズするクリエイティブスタイル、人物の瞳部分にピントを合わせる瞳AF、最高約11コマ/秒の連写、オートHDR、スイングパノラマ、手持ち夜景などを搭載する。

NEX-6などと同じくWi-Fi機能も内蔵する。ウェブ経由でさまざまな機能(アプリケーション)を追加できるほか、スマホによるリモート撮影や、スマホへのワイヤレス画像転送なども行える。

撮像素子には、新開発したAPS-Cサイズ相当の有効約2,430万画素CMOSセンサーを搭載する。画像処理エンジンには「BIONZ X」を採用。シーンに応じてシャープネス処理とノイズ低減を行う独自のエリア分割ノイズリダクションや、絞り込むことで生じる回折現象の低減処理にも対応する。

実写では、被写体のディテールまでをきっちりと再現する解像感の高さと、クセのないナチュラルな発色、暗部ノイズを目立たないように低減した高感度性能を確認できた。

注意したいのは、今回主に使用したキットレンズ「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」は、電動ズームによって薄型軽量を実現した機動力の高いレンズだが、周辺の解像感には少々不満が残ること。2,430万画素のセンサー本来の性能を引き出すには、より高性能なレンズを用意したいところだ。

トータルとしては、画質とスピード、携帯性の3つを兼ね備えたミラーレスとして、まずまずの完成度といえる。

個人的には、外装の質感が既存モデルに比べてやや低下したことや、アイセンサーの反応が敏感すぎることなど、細かい部分に少しもの足りなさを感じる。タッチパネル非対応も残念だ。しかし、ハンドリングに優れた小型ボディと、スピーディなAF性能は気に入った。既存のNEX-6やNEX-7に比べてメニューのインタフェースを改良したことで、詳細機能へのアクセス性が向上したこともありがたい。

α6000は、APS-Cセンサーを採用した同社Eマウント製品の中では、最上位に位置する製品だ。より精細な表現にこだわる人向けには、フルサイズ対応の上位モデルα7やα7Rが用意されているが、描写性能だけでなくレスポンスと機動性も重視するユーザーにとっては、このα6000のほうが魅力は高いだろう。

絞り優先AE(F5.6 1/60秒) 露出補正:+0.7 ISO160 ホワイトバランス:オート 焦点距離:37mm レンズ:「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F8 1/250秒) 露出補正:±0 ISO100 ホワイトバランス:オート 焦点距離:16mm レンズ:「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F2.8 1/50秒) 露出補正:+1 ISO3200 ホワイトバランス:オート 焦点距離:16mm レンズ:「E16mm F2.8」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F8 1/1250秒) 露出補正:±0 ISO100 ホワイトバランス:オート 焦点距離:16mm レンズ:「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F5.6 1/60秒) 露出補正:+0.7 ISO200 ホワイトバランス:オート 焦点距離:37mm レンズ:「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F5.6 1/1600秒) 露出補正:-0.7 ISO100 ホワイトバランス:オート 焦点距離:50mm レンズ:「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F3.5 1/60秒) 露出補正:-0.3 ISO1250 ホワイトバランス:オート 焦点距離:16mm レンズ:「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」(原寸大画像を見る)