使用して最も気に入った点は、撮る際のレスポンスがとても軽快であること。シャッターボタンを半押しするとAFが素早く作動し、ピピッという電子音を鳴らしながら即座にピントが合う。暗所ではAFスピードがやや低下するものの、明るい屋外撮影ではAFにストレスを感じることはほぼない。

このAFは、コントラストAFと位相差AFを併用した「ファストハイブリッドAF」と呼ばれるもの。NEX-6の同AFに比べると、位相差AFセンサーの数が99点から179点へと増加し、被写体が画面の端のほうにある場合でもスムーズに合焦可能になっている。

フォーカスエリアは、ワイド/ゾーン/中央/フレキシブルスポットの4モードから選択可能。このうちフレキシブルスポット選択時には、フォーカス枠のサイズを3段階から選べる

天面のモードダイヤルでは、MRモードを含め計10種類の撮影モードが選べる。電源スイッチはシャッターボタンの周辺に配置

さらに、シャッターを切った瞬間のレリーズタイムラグは小さく、撮った直後に液晶表示がブラックアウトする時間やシャッターチャージの時間は短い。これらの高速レスポンスと、シャープで機械的な響きを持つシャッター音とが相まって、1回1回のシャッターが非常に快適で心地よく感じる。

撮影メニューから「登録」を選ぶと現在の各種設定を登録でき、モードダイヤルを「MR」にセットすることで、その登録状態を素早く呼び出せる

メニュー画面には、タブによって各項目を分類した新デザインを採用。NEX-6やNEX-7が採用していた、項目を並べただけのメニュー構成に比べて操作性が大きく向上している

撮影モードは、フルオートに相当する「おまかせオート」のほか、プログラムAEや絞り優先AE、マニュアルなど9モードに対応する。ボディ天面のモードダイヤルでは、この9モードに加えて、新たに「MR(メモリーリコール)」モードが選択可能になった。これは、好きな設定の組み合わせを登録できるモードのこと。上位機の「α7」や「α7R」、Aマウントの「α」シリーズ、コンパクトデジカメ「サイバーショット DSC-RX」シリーズなどではお馴染みのモードであり、それがようやく同社APS-Cのミラーレスにも採用されてホッとした。

セットアップから「タイルメニュー」を「入」にしておくと、NEX-6やNEX-7のようなグラフィカルなトップメニューを表示させることも可能だ

感度はオートのほか、ISO100~25600に対応。オートISO選択時は、上限値と下限値の設定が可能になっている

メニュー回りのユーザーインタフェースについても、これまでの「NEX」シリーズのものとは異なり、α7やα7Rなどと共通のタブ式メニューに変更された。使い勝手を高める改良といっていい。さらに、ファンクションメニューやカスタムキーの内容を細かくカスタマイズできる点も便利だ。

【左】カスタム設定メニューの「ファンクションメニュー設定」では、ファンクションボタンを押した際に表示される項目を自由にカスタマイズできる 【中】カスタム設定メニューの「カスタムキー設定」では、7つの操作ボタンの割り当て機能を自分が使いやすいように変更できる 【右】Wi-Fi対応ワイヤレス通信機能を搭載。撮ったその場でスマホやタブレットに画像を転送したりできる