映像配信機材やネット家電の開発・販売を行うCerevoは、米・ラスベガスで開催された家電見本市「2014 International CES」(CES)に出展し、同社の最新製品を北米・海外市場向けに公開した。

同社は、ビデオカメラとケーブルで接続するだけでPCを使わずにUstreamやニコニコ生放送などを通じた映像配信が行える機器「LiveShell」シリーズを主力製品としているが、今回のCESではその上位機種に相当する「LiveWedge」を前面に出して展示。

ブースはコーポレートカラーのブルーで統一。「LiveWedge」に4台のビデオカメラを接続し、iPadからコントロールできる様子を展示

LiveWedgeは、720pのHD解像度で映像配信が行える「LiveShell PRO」に、4系統のHDMI入力を備えたビデオスイッチャー機能を統合したもの。操作はiPadまたはAndroidタブレット用のアプリから行え、映像ソースのクロスフェードやクロマキー合成なども可能。また、SDカードスロットを備えており、配信と同時にフルHDの映像(H.264)をSDカードに録画することもできる。

HDMI信号対応のビデオスイッチャー/ミキサーはまだまだ高額な製品が中心だが、LiveWedgeは999ドル(日本国内価格99,999円)という低価格を実現しており、機能・使い勝手に対する値ごろ感に驚く来場者も少なくなかったという。現在LiveWedgeは日米両市場とも予約受付の段階で、冬のうちには販売を開始できるよう準備中としている。

米国でも999ドルでの発売を予定しているLiveWedge。国内価格は99,999円

フェードやクロマキーなどはLiveWedge本体で処理し、iPadアプリは制御のみを行っているので録画・配信中にiPadの電源を落としても中断することはない

また、インターネットを通じて操作可能な家電製品は今回のCESでも話題となっているが、Cerevoでも昨秋発表した、スマートフォンアプリからオン/オフなどのコントロールが可能な電源タップ「OTTO」を展示。ネット経由で電源を制御する製品は存在するが、生活空間の中であえて見せたくなる筐体設計の美しさや、操作用のスマートフォンアプリの機能・デザインなどが揃ったコンセプトはユニークであり、例を見ない製品として来場者の反応もまずまずだという。

スマートフォンから電源のオン/オフが可能な電源タップ「OTTO」。日本国内では2014年1~2月めどに発売予定で、すでに23,800円で予約受付中

調光対応の照明器具であればスライダーでの調光も可能。タイマーで時刻に応じたオン/オフ設定などもできる

CerevoのCESへの出展は3回目だが、いくつかに分かれている会場の中で、メインホールのひとつである「South Hall」で展示を行うのは今回が初。同社はごく少数の社員で運営するベンチャー企業だが、海外での売り上げ比率が半数近くと高い。独特の機能を持った映像配信機材などは、ターゲットユーザーの絶対数は多くないものの、それを強く求めるユーザーが各地に確実に存在するニッチ商品のため、世界のバイヤーやユーザーに向けて直接製品をアピールし、反応を得られるCESのような展示会は重要な場となっているようだ。