ソニーはCES 2014の会場にて、3モードに変形するVAIO Fit multi-flip PCシリーズの新製品として、ラインナップ中もっともコンパクトなサイズの11.6型モデル「VAIO Fit 11A」を公開した。変形の仕組みを含む外観は既存モデルそのままだが、内部はHaswellベースからBay Trailベースへとプラットフォーム変更している。北米では799ドルから販売するという。

CESで公開された「VAIO Fit 11A」。写真はブラックモデル

VAIO Fit multi-flip PCシリーズは、ヒンジを天板中央を軸に、ディスプレイ部のみを回転させ、「キーボードモード」「ビューモード」「タブレットモード」の3段階に変形するマルチフリップ機構が特徴のノートPC。2013年秋冬モデルとして、13.3型の「VAIO Fit 13A」、14型の「VAIO Fit 14A」、15.5型の「VAIO Fit 15A」が登場していた。今回のVAIO Fit 11Aは11.6型で、Fit A系の中では最小となる。

左から、Fit 11Aが「タブレットモード」→「ビューモード」→「キーボードモード」へと変形する様子。ちなみに本体カラーは左からブラック、シルバー、ピンク

マルチフリップ機構での変形による柔軟な使い勝手の良さは既存モデルそのままに、小型化しよりモバイルしやすくなった

未発表モデルであるため、スペックの全てがは判明していないが、ブース取材で得た情報をまとめると、従来のFit AではIntel Coreなど"Haswell"(開発コード名)がベースのプロセッサを搭載していたところ、本機は"Bay Trail"(開発コード名)のノートPC向けである"Bay Trail-M"がベースのIntel Pentium N3520(2.166GHz/ターボ時2.42GHz/4コア)を搭載している。ほかメモリはDDR3L 8GB、ストレージはSSD 256GB、OSはWindows 8.1。

液晶は11.6型ながら解像度は1920×1080ドットのフルHDで、IPSタイプ。10点マルチタッチにも対応し、専用スタイラスペンで筆圧検知の細かい入力も可能だ。既存モデル同様に、液晶の広色域技術「トリルミナスディスプレイ for mobile」や、高コントラスト化技術「オプティコントラストパネル」などの高画質技術も備えている。

ハードウェア情報。CPUがPentiumブランドの"Bay Trail"に変更されているのが最大のトピック

重量は1.3kg前後で、本体サイズは細かい数字は不明だが、厚みは13Aと同等であることを確認した。カラーバリエーションはシルバー、ブラック、ピンクの3色を用意する。なお天板はアルミ素材だが、本体部分が樹脂素材(とは言え塗装が良好で安っぽくない)と、本体部分までアルミ素材であった既存モデルとは異なっていた。

左が「VAIO Fit 11A」で右が「VAIO Fit 13A」でサイズを比較してみた

「VAIO Fit 13A」の上に「VAIO Fit 11A」を乗せてみる。フットプリントはひとまわり小さい

左が「VAIO Fit 13A」で右が「VAIO Fit 11A」で厚みを比較。ほぼ同じか

シルバーモデル

ピンクモデル

天板はアルミ素材だが、パームレストまわりなど本体部分は樹脂素材に

参考までにVAIO Fit 13Aの本体部分。既存モデルはアルミ素材を採用していた

日本での展開については不明だが、おそらく今年の春モデルとして登場してくるだろう。北米市場での799ドルという価格を考えると、昨今円安ではあるが、それでもコストパフォーマンスにも優れたVAIOとして国内登場しそうである。