CPU以外にお金をかけるのが最適解?

今回は「Core i7-4500U」とPCIe SSDを搭載したVAIOオーナーメードモデルをテストした訳だが、ファンノイズがかなり気になった。以下はアイドル時と2通りの負荷時におけるノイズレベルを比較したものだ。室温約24℃、暗騒音は34.8dBAの室内で計測している。

■ ノイズレベル
アイドル時 36.8dBA
Webブラウズ時 39dBA
高負荷時(CINEBENCH R15) 44.1dBA

CINEBENCHのような高負荷環境でファンノイズが大きくなるのは薄型ノートとしてはごく当たり前だが、比較的低負荷の環境でもファンノイズが継続的に聞こえる。キーボードモードを使いオフィスや書斎で仕事をしている時は大して気にならないが、タブレットモードにしてベッドサイドに持ち込んで使うと虫の羽音のような騒音が気になる(筆者の家族には不評だった)。

薄型ボディにCore i7を搭載している時点で少々のファンノイズは覚悟すべきだが、Androidタブレットのような快適さを求めるのは禁物だ。Fit 13Aはモバイル用Core i7も選べるハイパワータブレットなのだ。

ただしCPUが高負荷時にオーバーヒートする、という最悪の事態はないようだが、テスト機はどうも内蔵GPU回りに高負荷をかけると動作が不安定になることが多々みられた。以下に3DMarkの「Cloud Gate」のテスト結果を示す。

「3DMark」より「Cloud Gate」の結果。スコアよりも右側のグラフの波打ち方に注目

ここで注目して欲しいのはオレンジの線の動きだ。前半(Graphics Test 1)では激しく乱高下しているが、本来は中盤(Graphics Test 2)と同じ程度のブレ幅しかない。つまりCore i7の熱に負けているか、テスト機ゆえの制約のどちらかだが、いずれにせよ今回テストした限りでは、GPUの限界を攻めるような負荷は避けた方がよい、ということになる。エクスペリエンス・インデックスでグラフィックが5ポイントだったのもこれに関係していると推測される。

個体差の可能性もあるが、今回はFit 13AのようなスリムなボディにもCore i7は載るが、ややオーバーパワー気味になりそうだ、という認識でよいだろう。むしろその分をSSDや付属ソフト等に回すのが賢い選択といえそうだ。

まとめ:タブレットPCとノートPCの機能を見事に両立

ここまで様々な側面からFit 13Aをチェックしてきたが、これまで発売された第4世代Core i搭載のノート型VAIO、すなわち"Pro""Duo""Tap"、そして今回紹介した"Fit"は、それぞれが違うユーザー層を志向していながらも、核心となる技術にブレがない。言い換えれば、Fit 13Aはボディを頑丈にして液晶反転機能を付けたVAIO Proであるともいえるし、純粋なノート型としての使い勝手を強く意識したVAIO Duoの一形態であるともいえる。性能や拡張性を重視したTapといってもよい。

しかし筆者は、Fit 13Aを単なるギミックだけ変えた機種と言うつもりはない。片手でも操作可能な見事な変形機構を備えた結果、タブレットPCとノートPC両方の使いやすさを見事両立させた製品だ。そして何より同社の看板軽量ノートであるVAIO Proに迫る素晴らしいスタイルを備えている、というのがFit 13Aの大きな武器だ。コンバーチブルノート(最近は"2 in 1デバイス"とも言うらしい)に興味はあるが、今一つ変形がダサくて……という人は、ぜひこのFit 13Aをチェックしてみて欲しい。コンバーチブルノートの常識が一変することだろう。

製品名 VAIO Fit 13A(SVF13N1A1J)
CPU Intel Core i7-4500U(1.80GHz)
メモリ 8GB
ストレージ 256GB PCIe SSD
光学ドライブ なし
グラフィックス Intel HD Graphics 4600(CPU内蔵)
ディスプレイ 13.3型ワイド(1,920×1,080ドット)
ネットワーク IEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0+HS
インタフェース USB 3.0×2、HDMI×1、ヘッドホン出力×1など
メモリースロット SDメモリカードスロット(SD/SDHC/SDXC、UHS対応)
サイズ/重量 W325.4×D223.4×H14.3~17.9mm/約1.31kg
OS Windows 8 Pro 64bit
直販価格 上記構成で179,800円(Office非搭載時)