PCIe SSDは1GB/secに迫る強烈なスピード

それでは各種ベンチマークを通じてFit 13Aの性能を評価してみたい。まずは総合性能として「エクスペリエンス・インデックス」をチェックする。

エクスペリエンス・インデックスによる評価。グラフィックスのスコアが一番低いのは内蔵GPUのみを使う薄型ノート定番のスコア配分だ

■ Windowsエクスペリエンス・インデックス
プロセッサ 7.1
メモリ 7.9
グラフィックス 5.0
ゲーム用グラフィックス 6.4
プライマリハードディスク 8.5

グラフィックスが一番低く、ストレージが一番速いのはSSD搭載ウルトラブックではよく見られるスコア配分だが、CPUとメモリが両方7点台なのはさすがCore i7搭載機という感じだ。

次はCPU/ストレージ/GPUの順に個別の性能をチェックしてみよう。まず最初はCPU性能を見る「CINEBENCH」。最新版のRelease 15が登場したが、これまでのレビューとの比較しやすくするために、Release 11.5の結果も掲載する。どちらもCPUのコア数や動作クロックなど、純粋な計算力が問われるテストだ。

「CINBENCH R11.5」(左)と「同R15」(右)のテスト結果。スコアの算定基準が違うため、両者のスコアを直接比較することはできない。ただR11.5のシングルコアのスコアが1ポイント未満な点に注目

■ CINEBENCH R11.5
CPU Multi 2.34
CPU Single 0.85
■ CINEBENCH R15
CPU Multi 224
CPU Single 112

全体にスコアがあまり伸びていない印象が強い。特にCINEBENCH R11.5のシングルコアテストが1ポイントを切っているのは、CPUのパワーの割に冷却力が追いついていないことを示唆している(マルチコアからシングルコアへ連続してテストを行なうため、熱が下がりきらないという要因も考えられる)。

次は「CrystalDiskMark」を使ったストレージのテストだ。結果から言うとVAIOオーナーメードモデルでしか選べないPCIe接続のSSD(テスト機ではSamsung製MZHPU256HCGL)の読み書き性能は文句ナシに速い。メールやWeb程度だとPCIe SSDのパフォーマンスがなくても十分快適だが、メモリを多量に使う処理をする人なら、CTOでこのSSDを選択する意味は多いにあるだろう。

「CrystalDiskMark」1000MB×5、ランダムデータ使用時のテスト。PCIe接続のSSDだけあって、1GB/secに迫る強烈なスピードを叩き出している

続いてはグラフィックス性能ということで「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」の公式ベンチ(キャラクター編)を使用した。Core i7搭載といえど、CPUに内蔵されたIntel HD Graphics 4400しか使えないため、画質はプリセットでは一番低い「標準品質(ノートPC)」設定に統一、解像度を変化させてチェックした。

1,280×720ドット、フルスクリーン設定での評価。まったりとレベリングするなら問題ない程度の評価といえる

1,920×1080ドット、フルスクリーン設定だと画面描画はかなりカクつく。この性能だと街の中での移動も少々辛く感じるだろう

■ ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア
標準品質(ノートPC) 1,280×720ドット 1,920x1080ドット
2445 1581

Core i7を搭載しているとはいえ、描画性能、特にゲームまわりの性能には大きな期待は禁物だ。軽い3Dゲームやブラウザゲームをライトに楽しむ程度なら十分だが、本気で遊び倒すには向いていない。

エクスペリエンス・インデックスでは少々厳しい値が出ていたが、ここでの値を見るかぎり、性能はごく標準的。当サイトでレビューした「VAIO Duo 13」(関連記事)の値と近い性能であるようだ。