ボードは独自開発と語る石井氏

そして、23型液晶に5つのTVチューナー、低音ウーハーを搭載しながら、本体厚は約6cmとしていたのも、VALUSATR Nならではの特徴だ。

「機能を追求し続けると、自然と厚みが増してしまうことになる。VALUSTAR Wであれば、ある程度の厚みが許されるといった考え方もあるが、フォトフレーム型パソコンであるVALUSTAR Nでは、スタイリッシュ性を維持することが求められる。6cmの厚みは譲れない水準であった」という。

従来モデルでは、21.5型ワイド液晶ディスプレイを搭載していたのに対して、新製品では、23型ワイド液晶ディスプレイを搭載、さらに4チャンネル録画可能なボードも搭載している。それでいて、従来製品同等の6cmの幅を実現したのだ。

「従来モデルに比べてチューナー数は倍増しているのに、チューナーボードそのものの大きさは1.6倍程度に収めている。独自の放熱技術の採用などにより、小型化を実現した」という。

本体に内蔵されている4チャンネル録画可能なTVボード。従来よりチューナー数は倍増しているが、ボードのサイズは1.6倍程度に収めた

TVボードは独自開発で、専用のヒートシンクを搭載する。TVボードの放熱処理は「苦労した点のひとつ」

また、チルトとスイベル機能を担う台座は四角いデザインを採用。奥行きは28cmとし、A4ノートPCと同等サイズのフットプリントというこれまでのコンセプトにも変更はない。

「安定感を持たせるために、台座にも工夫を凝らしている。ディスプレイの角度を変えても、5秒以内で振動が止まるという設計にしている。テレビを観る際にも安心感を与えるための細かいこだわりのひとつ」とする。

台座部にはキーボードが収納できるようになっており、使用していないときにも省スペース化できる。

一方で、各種ポート類はすべて左側面に配置。右側には光学ドライブユニットだけとした。また、USB3.0ポートは、背面に4つ配置しており、今後、USB3.0による周辺機器の接続が増加した場合にも対応できるようにしている。

フォトフレーム型ながら、垂直立ちを実現した台座。ディスプレイ角度を変えても5秒以内で振動が止まる設計という

正当進化ならではの存在感を発揮できるか

VN970/NSは、10月31日から量販店店頭で展示が開始された。

量販店の仕入れ担当者からは、新たなデザインに対する評価が高いほか、4チャンネル同時録画に対する期待も高いという。

筐体カラーは、ファインブラック、ファインホワイト、クランベリーレッドの3色を用意。これは従来から継承しているものだが、VALUSTAR Nで最も人気が高かったホワイト、VALUSTAR Wで人気が高かったブラックが中心となって売れそうだ。

VALUSTAR Nとしての正当進化とともに、VALUSTAR Wを融合したことによってAV機能の強化を図ったのが今回のVN970/NS。これまで以上の存在感を発揮できるかが注目される。