パナソニックは10月31日、2013年度第2四半期の連結業績(2013年4月1日~2013年9月30日:累計期間、以下同じ)を発表した。営業利益は1,466億円(前年同期比168%)、「当社株主に帰属する四半期純利益」は1,693億円(2012年度第2四半期は△6,852億円)と前年同期を大幅に上回る水準となった。

決算短信によると、世界経済ではインドなどの一部新興国の伸び悩みがあったものの、中国や欧州で持ち直しがみられ、米国、日本では緩やかな景気拡大が継続。売上高は2012年度第2四半期の3兆6,382億円の102%となる3兆7,063億円を確保した。

加えて、中期経営計画で重点施策として掲げた「赤字事業の止血」「脱・自前主義による成長・効率化」「財務体質の改善」「お客様価値からの逆算による成長戦略」のもと、国内通信事業者向けのスマートフォン開発休止や、新規・成長分野への経営資源配置転換を行うとともに、投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ・アンド・カンパニー・エルピーへの子会社パナソニック ヘルスケア(KKR)の株式譲渡を決定。

事業別では、薄型テレビを含むデジタルコンシューマー事業では、収益重視の商品展開と競争環境の変化、需要低迷などの要因により、減収となった。しかし、車載関連事業がグローバル市況の回復を背景に伸長したほか、日本国内の住宅関連事業も堅調に推移している。加えて、円安が前年同期を上回る売上高を後押ししたという。

また、「赤字事業の止血」と掲げた通り、全社的に取り組んだ固定費削減や合理化などを背景として、営業利益も増加。これに、第1四半期で計上した子会社の年金制度変更に伴う一時益798億円により、税引前利益2,074億円、「当社株主に帰属する当期純利益」は1,693億円という好業績を支えた。

2013年度第2四半期 2012年度第2四半期 前年同期比
売上高 3兆7,063億円 3兆6,382億円 102%
営業利益 1,466億円 874億円 168%
税引前利益 2,074億円 △2,787億円
四半期純利益 1,693億円 △6,852億円
※「△」は損失を表す。

なお、2013年度通期見通しとしては、前述のデジタルコンシューマー事業においてテレビ、デジタルカメラ、携帯電話の減収が見込まれるものの、車載関連事業、住宅関連事業では増収が見込まれ、円安による増収も見込まれるとのことだ。これらの影響を総合して、営業利益は増加。加えてKKRへのパナソニック ヘルスケア株式の譲渡による売却益が営業外収益に計上される。これらにより同社では、売上高は7兆4,000億円、営業利益は2,700億円、税引前利益は2,100億円、「当社株主に帰属する当期純利益」は1,000億円(全て連結ベース)へと、従来の見通しを上方修正している。