カシオのコンパクトデジタルカメラ「EXILIM」シリーズの秋モデルとして、「EXILIM EX-ZR800」が発表された。スペックなどの概要はニュース記事『カシオ「EXILIM」、最大5段分の手ブレ補正を搭載する光学18倍「EX-ZR800」』をご覧いただくとして、さっそく発売直前の実機をお借りできたので、速攻レビューをまずお届けしたい。より突っ込んだレビューは、追って掲載する予定だ。

EX-ZR800

コンデジ初! 驚異の5軸手ブレ補正の効果を見よ!

EX-ZR800は、「EX-ZR700」の後継にあたる。ZR700自体、スタミナ系高倍率コンパクトとして非常に完成度の高い機種であり、ZR800でも外見をはじめ画素数や18倍のズーム倍率など、機能・性能を踏襲している部分が少なくない。

向かって左(後)がZR700、右(前)が新製品のZR800。ZR800のグリップ部はもボディと同色になった

ZR800のモードダイヤルには「タイムラプス」が追加された。「フォーカスコントロール」は「BS」(ベストショット)内に移動

しかし、大きく異なる点が2つある。

ひとつはパワーアップした手ブレ補正機構。静止画で上下回転、左右回転、中心回転、上下動、水平動の5軸に対応し、補正効果はシャッター速度5段分に相当する。

もうひとつは、新機能「タイムラプス動画」の撮影だ。タイムラプスとは、定位置に設置したカメラでインターバル撮影を行い、これを動画にする機能。雲が流れる様子や太陽が上ったり沈んだりする様子を、時間を短縮した動画で保存する。こうした動画(タイムラプス動画)は、たいていの人が1度は見たことがあるはずだ。

では、パワーアップした手ブレ補正機構から見ていこう。まずは作例をご覧いただき、ぶったまげていただきたい。もちろん、すべて手持ち撮影だ。

広角側で撮影。焦点距離は35mm換算で25mm相当(原寸大画像を見る)

光学18倍の望遠側で撮影。焦点距離は35mm換算で450mm相当だが、まったくブレていない。さすが(原寸大画像を見る)

プレミアズーム併用。焦点距離は35mm換算で900mm相当! なのに、これまたブレていない! EXIF情報を見ると、ISO80でF5.9、シャッターは1/400!(原寸大画像を見る)

さらにデジタルズーム(4倍)を併用。プレミアムズームと比べると画質こそ甘いが、手ブレ補正という意味では、しっかりと効果が認められる(原寸大画像を見る)

正直、もはや見事というほかない。シャッター速度で5段分の補正効果という言葉こそZR700と同格ながら、ZR700は光学2軸+全体的なHS(ハイスピード連写合成)処理を行っていた。これに対してZR800は、光学2軸に加え、HS処理を中心回転、上下動、水平動の3軸それぞれに対して適用している。これにより、さらに高精度な手ブレ補正が可能になったのだ。

といっても、その効果がどれほど大きいのかは、実際に撮ってみなければわからないもの。そこで、手ブレ補正の効き方がわかる動画を用意した。動画の場合は中心回転の補正がないので、厳密には静止画より補正効果は劣るのだが、それでも手ブレ補正が効いている感じが十分に実感できると思う。なお、撮影は手持ち。補正の効き方を見るため、意図的に少しカメラを振っている。

【動画】【フルHD】CASIO ZR800 手ブレ補正検証1

光学18倍ズーム端(焦点距離450mm相当)を使って手持ちで撮影(フルHD動画をYouTubeで見る)

【動画】【フルHD】CASIO ZR800 手ブレ補正検証2

プレミアムズーム端(焦点距離900mm相当)を使って手持ちで撮影(フルHD動画をYouTubeで見る)

【動画】【フルHD】CASIO ZR800 手ブレ補正検証3

デジタルズーム端(4倍)を使って手持ちで撮影(フルHD動画をYouTubeで見る)

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