EX-ZR700

カシオ計算機は23日、サクサク撮れる軽快なレスポンスを実現し、ブレに強い高倍率ズームレンズを搭載したコンパクトデジタルカメラ「EX-ZR700」の発売に際して、日本/中国/ドイツ/アメリカの4カ国、12歳以下の子を持つ親800人(各国200人)に、カメラについてのインターネット調査を実施、その結果を発表した。

撮像の美しさだけじゃもの足りない。各国共通で高まるサクサクニーズ

各国の子を持つお父さん、お母さんは、いま所有しているカメラを購入したとき、「オート機能できれいに撮れる」ことや「コンパクト・軽量」であることを重視。そして今後カメラを購入する際には、「ピントが速く合う」ことや「手ブレしないで撮れる」ことを重視しているという。サクサクと快適に撮影でき、美しさはもちろんのこと、手ブレへの強さを求めていることがうかがえる。

所有するカメラを購入するきっかけや決め手になったのは、「オート撮影できれいに撮れる」というものが各国共通のニーズとして上がっていた

次にカメラを買い換えるとしたら「ピントが速く合う」や「次々とシャッターが切れる(撮影間隔が短い)」を重視。だが、日本のユーザーは「手ブレ耐性」や「コンパクト・軽量」を重視する声が根強い

ピント速度や快速シャッターを求める理由は子供の動きにあった

購入時点で「カンタンできれいに撮れるコンパクトデジカメ」を欲していたにも係わらず、次に買いたいカメラでは、なぜピントの合焦速度や連続撮影に注目が集まったのか。

その答えは、「子供が動き回ってうまく撮れない」という悩みに原因があるようだ。確かに、動き回る被写体を追いかけながら「これだ!」というシャッターチャンスを逃さず撮影するのは非常に難しい。しかも、子供は予想外の動きでお父さん、お母さんを翻弄するのだから、さもありなんだろう。

子供を撮影しているなかで困ったことは各国共通

目まぐるしく変化する被写体、子供の動き、表情を撮影するために、ピント合焦速度が求められている

"今"を楽しむために撮影する外国人、"将来"見て楽しむために撮影する日本人

どのようなシーンで子供を撮影するのかを調査した結果、日本ではイベントや記念日といった解答が多かったのに対して、外国では日常の場面での撮影を主としている。海外では、日常の1コマを重視、リアルにその空間を写真で切り抜くのに対して、日本では思い出をキッチリと写真に収めることに重点を置いていると想像できる。

子供を撮影するシーンを調査した結果、面白いほど異なるのが日本と中国のアンケート結果。イベントや記念日を重視せず、日常の場面を切り取るのが中国的嗜好のようだ

写真を撮影する目的も世界と日本とでは異なる部分が見て取れる。海外では成長の記録としての撮影はもちろん、家族や知人と共有するためという意思が強いのに対して、日本ではその解答の割合が非常に少ないのは興味深い。

加えて、撮影した写真の活用方法に関しても同様で、海外ではSNSへの公開やクラウドストレージでの公開、家族や知人との共有に積極的だが、日本では家族内で楽しむなど限定的な活用が主流となっているようだ。

子供を撮影する目的。おおむね「成長の記録」なのだが、他者との共有という面では世界と日本で文化が異なるようだ

写真を他者と共有しないのは、日本の核家族化も要因になっているのだろうか?

家族写真より子供写真。シャイな日本人だが愛妻家増加の兆し?

普段持ち歩いている家族の写真については、日本で圧倒的に多いのが子供のみ撮影された写真。一方で海外は配偶者と子供、もしくは家族全員の写真を持ち歩いているという結果が。しかし、日本人にのみ限って数字を見ると、家族の写真を持ち歩いている人の男女割合では、男性の方が多いという結果に。「家族の写真なんて持ってないよ」と言いながらも、どこかにこっそり忍ばせる男性が増えていくのかも。

普段持ち歩いている家族の写真(4カ国の比較)

配偶者、自分と子供、配偶者と子供、家族全員。そうした写真を持ち歩いている日本人は、予想外だが男性が多いとの調査結果

被写体のメインはダントツで子供。家族全員ではなかなか撮影しない現状

では、もっとも多い被写体は誰なのか? という設問に対して、日本は圧倒的に「子供のみ」。海外でもその傾向は強いが、「家族全員」という解答も多い。調査結果を分析したカシオ計算機でも、「日本と海外の家族観の違いが浮き彫りになっている」と評している。日本は家族全員での思い出を切り取る写真ではなく、子供が喜んでいるところを撮影することに主眼が置かれている結果と言えるのではないだろうか。

せっかくの思い出も家族で撮影するのはごく少数のよう。特に中国との違いに着目してもらいたい

中国と日本の比較では、まるで真逆な調査結果が

日本と世界の違いは近所付き合い!?

昨今、ミラーレス一眼が日本のデジタルカメラ市場をにぎわせているが、世界的に見れば、まだまだコンパクトデジタルカメラが主流のよう。発展著しい中国ではデジタル一眼レフの数値も大きく、ドイツにおいてはフィルムカメラが根強い人気を誇るなど、各国の特色が現れており面白い。

スマートフォンがおしなべて高いのは各国共通のようだ

俗に言う「ママ友(パパ友)」の存在についてだが、悲しいかな日本は「いない」と解答した人が32.0%と高いのに対し、海外では「3~5人」が多い。日本では家族間の付き合いや近所付き合いが希薄……になっているのかもしれない。が、「10人以上」との解答が各国と同じような数値になっていることから見ても、一概に希薄化しているとは言えないかもしれない。

ママ友・パパ友の人数

「ベストショットが撮れた!」と思う瞬間に関しては、世界各国共通で「瞬間の表情がとらえられた時」が高い数値を示している。子供の表情の変化を逃さず撮影できるカメラが望まれるのは、場所は違えど同じようだ。また、その表情についてもっとも多かった解答は、やはり笑顔。子供の笑顔ほど、両親を癒やしてくれるものはない。

各国共通して「瞬間の表情」への注目度が高い。「瞬間の動き」や「いつも以上に可愛い表情」に対しての想いは、日本と海外とでは若干異なるようだ

どんな表情でも親は可愛いと思うものだが、やはり笑った顔が一番なのは各国共通だった

被写体や写真撮影の目的に多少の差はあれど、デジタルカメラに求められているものは、子供の予想不可能な動きにも対応できるピントの速さに加え、瞬間を余すところなく切り取れるシャッタースピード/撮影間隔にあるようだ。もはや、きれいでカンタン、といううたい文句だけでは、消費者の心は動かないのかもしれない。