ON Semiconductorは8月8日、車載用アプリケーション向けに設計されたAEC-Q100/Q101認定標準コンポーネントのポートフォリオを拡充したと発表した。

NVMFSシングルおよびNVMFDデュアルNチャネルロジックレベルパワーMOSFETファミリは、同社の100%アバランシェエネルギー試験を実施したもの。直接燃料噴射、エアーバッグ、HVAC、ハイブリッド電子システムを含む、要求の厳しい自動車パワートレイン、安全、および車体制御モジュールアプリケーションにおいて、導通損失を抑え優れた負荷性能を保証しながら、低オン抵抗と高電流ドライブ能力の両方を提供する。低背SO-8FLパッケージを採用しており、従来のDPAKパッケージと比べて、基板スペースを50%以上削減できる。

トランシーバ向けESD保護ダイオード「NUP2115LT1G」は、FlexRayトランシーバを静電気放電(ESD)および他の有害な過渡電圧事象から保護し、各データラインに双方向保護を提供する。小型SOT-23パッケージを採用しており、システムの信頼性向上に寄与し、厳しい電磁気干渉(EMI)要件もクリアする。また、車載ネットワーキングの高速性のため、FlexRay規格では最大20pFの低容量保護および±2%のデータライン容量偏差が必要となる。同製品は、業界をリードする最大10pFの浮遊容量と0.26%の容量マッチングにより、FlexRay規格を上回る性能を実現している。

車載認定「NSV1C」ファミリは、100V、2APNPおよびNPN超低飽和電圧(VCEsat)、高電流ソースのバイポーラトランジスタで、SOT-23/223パッケージを採用している。高いエネルギー効率を達成しており、車両用バッテリーの要件を緩和に寄与する。代表的なアプリケーションとして、インスツルメントクラスタモジュールおよび直接燃料噴射用エンジン制御ユニット(ECU)などが挙げられるという。「NSV1V」ファミリは、同社の車載用途に対して認定された広範なデジタルトランジスタを補完するもので、1~100kΩの範囲の抵抗値を持つ定格50V、100mAのデバイスで構成されている。同ファミリは、シングル、デュアル、NPN、PNP、相補デバイスなど7つのパッケージスタイルで提供されている。

ポストレギュレーション低ドロップアウト(LDO)電圧レギュレータ「NCV857x」、「NCV87xx」シリーズは、動作温度範囲を-40℃~+125℃に拡張した。用途は、システム性能を向上させるのに、低ノイズおよび低電源除去比(PSRR)が不可欠なインフォテイメント、安全、照明、および小型モータ電子制御ユニットなどが想定されるという。中でも、低ノイズ性能が重視されるBluetoothアプリケーションに最適となっている。

この他、-40℃~+125℃の動作温度範囲を有する車載グレードレベル1シリアルEEPROMファミリを発表した。I2Cバスの「CAV24Cxx」、SPIバスの「CAV25Cxx」は、1K~1Mバイトの集積度で提供される。0.18μmプロセスで製造され、業界標準のSOIC&TSSOP車載グレードパッケージで供給される。16Kバイトの「CAV93C86」は、Microwire Busインタフェースを有し、シリアルEEPROMデバイスファミリとして、最初に発売される製品という。