「もう1回も、やっぱり車での話なんですけど、荷物をたくさん持って車に乗り込むとき、一度荷物を車体の上に置いて、それからひとつひとつ後部座席に詰め込んでいったんです。で、荷物を詰め終わったから運転席に座って発進した次の瞬間に、iPhoneがないことに気づいて、慌ててブレーキをかけて外に出てみたら、iPhoneがコンクリートの地面に落ちていました」

つまり、Iさんは荷物をすべて積み込んだように思っていたのだが、荷物と一緒に車体の上に置いたiPhoneのことだけ忘れてしまっていたというわけだ。不幸だったのは、どちらの場合も地面がコンクリートだったことである。

「あまりにも落とすから、一時期ケースをつけていたこともありますよ。でも重いしジーンズのポケットにも入らないしで、やめちゃいました。ほら、一時期、iPhoneはむき身のまま使うのがかっこいいっていう風潮あったじゃないですか。『ステイ・ハングリー ステイ・フーリッシュ』ですよ」

……おそらくジョブズがこの場にいたら、その言葉に「ステイ・ホールド」という一言を付け加えるのではないだろうか。

「ちなみにiPhone 5にしてからは裏面もアルミになったし、画面にも超強力な保護シートを貼ったから、液晶画面は割らなくなりました。落とさないわけじゃないから、角とかは傷だらけですけどね。それも逆に味わい深くて良い感じでしょ?」

そう言いながらiPhone 5の傷をダメージジーンズのごとくアピールしてくるIさん。つまるところ、液晶画面が割れるのはさすがに困るが、傷は別に気にならないというスタンスなのだ。

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傷くらいは別にいいという考え方はわからないでもないが……