……たしかに傷は多いが、液晶画面が割れたりしているわけではない。Iさん、話が違うんじゃないですか。

「iPhone 5にする前はiPhone 4を使ってたんですが、そのときは液晶画面と裏のガラスを割りまくって2回修理に出してますよ。画面がバリバリになった状態で使うのもかっこいいなって思ってしばらく使い続けてたんですけど、耳にあてて電話していると割れたガラスがチクチク突き刺さるんですよね。タッチしても指に刺さってくるし、さすがに危ないなと思って」(Iさん、以下発言同)

2回修理に!? それはたしかに多い。というよりも、そもそもiPhoneを修理に出した経験がある人自体、そんなにいないと思う。

いったい、その2回に何があったのか。質問をぶつけると、Iさんは「あまり覚えてないんですよね……」と言いながら、iPhoneを壊したときのエピソードを語ってくれた。

エジプトの騒乱を撮影しに行ったときにiPhoneを盗まれたこともあるというIさん。イレギュラーな出来事なので今回は数に入れていない

「写真家っていう職業柄、移動は車が多いんですよね。もし移動中に電話がかかってきたら、車を停めて電話に出るんですけど、そのときにいちいちiPhoneをポケットから出すのが面倒だから、パッと取れるように膝に置いてるんです。ただ、そのままだと運転中に落としてしまうから、iPhoneの裏にラバーの滑り止めをつけて、ジーンズから落ちないようにしているわけ」

画面中央が滑り止め

なるほど。でも膝から車内に落としたくらいでは液晶画面は割れないですよね? それに、ラバーの滑り止めをつけたならなおさら問題なさそうですが。

「ところがですね、あまりにも膝から落ちないもんだから、逆にすっかり安心してしまって載せてることを忘れてしまったんですよね。それで、現場に着いたときにドアを開けて、そのまま立ち上がって車外に出たら、iPhoneがコンクリートの地面にガンって落下して割れてしまいました」

……まさかiPhoneを落とさないようにと取り付けた滑り止めが、落下の原因になってしまうとは。「逆効果」という言葉がこれほど似合う状況もそうそうないのではないか。

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