パフォーマンスにも満足

参考のために、いくつかベンチマークテストを行った。Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は、プロセッサが3.5、メモリが4.7、グラフィックスが3.7、ゲーム用グラフィックスが3.3、プライマリハードディスクが5.6となった。グラフィックス周りはやや弱いが、プライマリハードディスクのスコアは高く(中身はSSDだ)、実際に使っていても十分快適だ。特に、Windows 8の新UIの動作は軽快であった。

Windowsエクスペリエンスインデックスの結果。ゲーム用グラフィックスのスコアは3.3とやや低いが、それ以外は3.5以上であり、Windows 8も快適に動作する

総合ベンチマークプログラムの「PCMark 7 v1.4.0」の結果は、表に示した通り。Atom搭載ということで、パフォーマンスに不安を持つ人もいるかもしれないが、文書作成やWebブラウズ、メール送受信といった比較的軽めの作業を行うのなら、十分なレベルである。

無線LAN常時有効でも本体のみで8時間近くのバッテリ駆動

バッテリベンチマークプログラムの「BBench」を利用して、バッテリ駆動時間を計測してみた。ElitePad 900は無線LANを有効、電源プラン「バランス」、液晶の輝度「中」、BBenchは10秒ごとにキー入力のエミュレーション、1分ごとに無線LAN経由でWeb巡回という設定/条件だ。

結果は、本体のみで7時間48分、拡張ジャケット装着時は15時間56分もの長時間駆動が可能であった。重量約630gのWindows 8マシンとしては、驚異的なバッテリの持ちといえる。AndoridタブレットやiPadと比べても、まったく見劣りしない。拡張ジャケットを装着すれば、1泊2日程度の遠方への出張でも、一度も充電せずに使い続けることができるケースもあるだろう。

ビジネスはもちろん、パーソナルユースとしても魅力的

ElitePad 900は、長らくビジネス向け製品を開発してきた日本HPのノウハウが注ぎ込まれたWindows 8タブレットだ。数あるWindows 8タブレットの中でも、トップクラスの堅牢性と拡張性を誇る。

拡張ジャケットやキーボードジャケットにより、TPOに応じて自由に機能を拡張できるというコンセプトは、さまざまなビジネスシーンで役立つだけでなく、プライベートでタブレットやPCを活用したい人にも魅力的だ。ビジネス向け製品ではあるが、個人での購入も可能なので、堅牢でバッテリ駆動時間が長いWindows 8タブレットを探している人には、かなり有力な選択肢となるだろう。

■試用機の主な仕様
製品名 HP ElitePad 900
ディスプレイ 10.1型WXGA(1,280×800ドット)、400cd/平方メートル、マルチタッチ対応
OS Windows 8 Pro
CPU Intel Atom Z2760(1.80GHz)
メモリ 2GB LPDDR2 533MHz
ストレージ 64GB eMMC SSD
サウンド機能 SRS Audio、内蔵ステレオスピーカー、内蔵ステレオマイク
Webカメラ フロント:1080p対応、リア:800万画素(LEDフラッシュ付き)
主なインタフェース IEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、MicroSDカードスロット、
マイク入力/ヘッドフォン出力コンボポート、システムコネクタ、
NFCリーダー(セキュアエレメント対応)
内蔵センサー 加速度センサー、デジタルコンパス、ジャイロセンサー、周辺光センサー
バッテリ駆動時間 約12.7時間(JEITA測定法)
本体サイズ/重量 W261×D178×H9.2mm/約630g