アルミニウム合金削り出しで製造された一体成型ボディ
まずは外観から見ていこう。ElitePad 900の本体サイズはW261×D178×H9.2mmで、重量は約630gだ。10.1型タブレットとしては標準的なサイズと重量であり、そこそこ気軽に携帯できる範囲だろう。ボディはアルミニウム合金製であり、1つのアルミブロックから削り出した一体成型ボディを採用することで、高い強度と高級感を出している。加えて、液晶表面は通常のガラスよりはるかに高い強度を持つ強化ガラス「Gorilla Glass 2」でカバーされており、堅いものが当たっても表面に傷が付いたり、割れたりする心配がない(さすがに限度はあるので過信は禁物)。
最新SoC「Intel Atom Z2760」を搭載し、NFCもサポート
CPUには、開発コードネーム「Clover Trail」と呼ばれていたIntel Atom Z2760(1.80GHz)を搭載する。Atom Z2760は、主にWindows 8タブレット向けに開発された最新SoC(System-on-a-chip)であり、CPUだけでなくGPUやチップセットの機能も1チップに集積されていることが特徴だ。また、消費電力が非常に低いこともポイントだ。メモリは2GB固定で、増設はできない。ストレージは64GBのフラッシュメモリである。
液晶のサイズは10.1型で、解像度は1,280×800ドットだ。Windows 8タブレットやノートPCでは、1,366×768ドット表示の液晶を搭載する製品が多いが、ElitePad 900の液晶は、横方向の解像度がやや低く、縦方向の解像度がやや高くなっている。IPS液晶を採用しているので視野角も広く、斜めから見ても色変化が少ない。また、液晶の最大輝度は400cd/m2と高く、コントラストも高いので、屋外でも良好な視認性だ。もちろん、マルチタッチ対応であり、Windows 8の新UIも快適に操作できる。
本体のインタフェース類は、microSDカードスロットとマイク入力/ヘッドホン出力、独自形状のシステムコネクタと必要最小限だが、システムコネクタに接続するUSBアダプタ(EP Elite USBアダプター)が付属しているので、USBメモリやプリンタなど、各種のUSBデバイスを利用できる。例えばAndroidタブレットでは、USBポートがあっても利用できる機器が限られるが、OSとしてWindows 8 Proを搭載するElitePad 900では、Windows 8に対応した機器ならすべて使える。これは大きなメリットだ。
前面には1080p対応カメラ、背面には800万画素カメラを備え、背面カメラにはLEDフラッシュライトもある。オーディオ機能はステレオスピーカーとステレオマイクのほか、高音質化機能のSRSオーディオを搭載。センサー類は豊富で、加速度センサー、ジャイロセンサー、電子コンパス、周辺光センサーを装備している。
ワイヤレス機能も充実しており、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0に加えて、近距離無線通信技術の一種であるNFCもサポートしている。NFCリーダーは本体裏面に配置されており、電子マネーによる決済や非接触IC搭載の社員証での本人認証などが可能だ(NFCを活用するアプリケーションがそろってくるのはもう少し先)。
また、一般的なタブレットではバッテリを交換できないことが多いが、ElitePad 900は専用ツールを利用することで、カバーを取り外してバッテリ交換できる構造だ。これには安心感を持てる。公称のバッテリ駆動時間は約12.7時間(JEITA測定法)とされており、拡張ジャケットを取り付けることで約16時間まで延びるので、一日持ち歩いて使う場合にも安心だろう(実際のバッテリベンチマーク結果は後述)。ACアダプタは比較的コンパクトで軽く、携帯しやすい。ただし、ACプラグ部がアース付きの3ピン仕様になっているので、2ピンへの変換アダプタも付属している。
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