米IDCは5月28日(現地時間)、2013年の世界のPC出荷台数予測を更新し、従来の1.3%減を7.8%減に修正した。出荷台数は3億2000万台。2014年には下落に歯止めがかかり、2017年には3億3000万台まで回復すると予想するが、それでも2012年(3億5000万台)の状態には届かない。

紺色がポータブルPC、オレンジがデスクトップPC。今年は昨年よりも大きな減少に

IDCは2013年中にPCの出荷台数が緩やかな増加に転じると予測していたが、第1四半期の減少が予想以上に大きく、Windows 8向けデザインのPCが買い換え促進の起爆剤になっていないことから見通しを下方修正した。また企業のBYOD (Bring Your Own Device)がスマートフォンからタブレットやPCにも広がってきた影響も指摘している。社員10人以上の会社において25%近い社員が仕事で使うメインPCを自分で用意したと回答しており、PC買い換えを牽引してきた企業のPC購入が今年は従来の予想に達しない可能性が高いという。

2014年4月にWindows XP Service Pack 3、Windows XP 64ビット版 SP2の製品サポートが終了するため、業務用を中心に2014年にはPCの買い換えが上向くと見る。ただし、ポータブルPCに関してはすでにWindows 8を動作させるのに十分なPCを所有しているユーザーが多く、価格の下落やデスクトップからポータブルへの移行が以前ほど市場の成長に貢献しないとしている。

2013年のタブレットの出荷台数は前年比58.7%増で2億3000万台に達する。これは昨年のポータブルPCの出荷台数(2億台)を上回る数字だ。今年のタブレット市場ではAndroidタブレットが伸び、8インチ未満の製品が過半数に達して、ASP(平均販売価格)が10.8%減の381ドルに下落する。PCの2013年のASP予測は635ドルだ。来年以降もタブレットの成長が衰えることはなく、2015年にはPCの出荷台数をタブレットが上回ると予測する。

「Webブラウジングやソーシャルメディア、電子メール、様々なアプリの利用を含む日常的なコンピューティングに大きなコンピューティングパワーやローカルストレージが必要ではないことに多くのユーザーが気づき始めている」とIDCのLoren Loverde氏。コンピューティングプラットフォームとしてPCは今後も必要とされるが、コンピューティング時間におけるPCのシェアが減少しており、こうしたユーザーが古いシステムのまま使い続ける傾向が強まっているという。